2009年05月17日(日) |
鳩山 の語る 「 愛のある政治 」 とは |
「 改革は外からではなく、内から生じなければならない。
人が徳を規定することはできないのだ 」
ジェームズ・ギボンズ
Reform must come from within, not from without. You cannot legislate for virtue.
James Gibbons
一昨年、高給料亭 『 船場 吉兆 』 で、次々と偽装問題が発覚した。
記者会見では、頼りない息子の影から “ 囁く ” 女将の姿が話題になった。
民主党 は 鳩山 を新しい 代表 に据え、小沢 は新執行部に 「 代表 代行 」 という形で残し、岡田 を 幹事長 とする人事を発表した。
意のままに動かしやすい 鳩山 が 代表 になったことで、今後、小沢 による 「 院政 」 が敷かれるという説を聞くと、「 吉兆 の 女将 」 の姿が重なる。
代表選に負けはしたけれど、95票 を集めた 岡田 ( 鳩山 は 124票 ) が肉迫したことで、「 反 小沢 」 の勢力も小さくはないことが明らかになった。
その 岡田 を幹事長 に囲い込み、なんとか衆院選までは 「 挙党態勢 」 を維持できるだろうが、選挙に勝っても、負けても、先が思いやられる。
もともと仲の悪い者同士が、共通の敵を前にして手を組んでも、いづれは、不協和音が飛び交い、分裂、崩壊が避けられないのではないか。
代表選を終えてからの世論調査では、民主党 の支持率が大幅に急伸し、とりあえず 小沢 辞任 の効果で、国民の信頼を回復したようにも見える。
だが、代表 を辞任したからといって、「 西松建設 事件 」 に 小沢 が関与した疑いは晴れておらず、その説明責任は果たされていない。
見方によっては、代表の挿げ替えにより 「 党ぐるみで悪事を隠蔽した 」 と受け取られても、否定できないところだ。
彼らは、政権交代によって 「 腐敗した自民党政治 」 に終止符を打つことを訴え続けてきたが、これでは、何の変化もない。
鳩山 の代表就任演説では、「 西松建設 」 の問題に一言も触れておらず、おそらく今後も、彼らの口から語られることはないだろう、
野党である間はよいが、民主党が国家権力を掌握したとき、彼らの組織に 「 自浄能力 」 が無いことは、致命的な欠陥になり得るだろう。
いくら 小沢 が強弁しようが、常識外れに多額の献金が、違法であり、秘書の一存で行われたものではないことを、鳩山 も、岡田 も知っている。
それを隠し、目的のためには不問にすることが、彼らの言う 「 挙党態勢 」 であることを、我々は理解しておかねばならないだろう。
小沢 の資金力、選挙 ノウハウ を利用するために、内なる悪事を隠蔽した 民主党 を、良識ある有権者がどのように評価するのか、見ものである。
もちろん、自民党 にも 「 自浄能力 」 は乏しいが、鳩山 の語る 「 愛のある政治 」 とは、仲間の悪事を庇うことであることを、知っておくべきだろう。
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