2009年05月15日(金) |
草なぎ 剛 が芸能活動を再開 |
「 私の経験によれば、欠点のない者には、取柄もないものだ 」
エイブラハム・リンカーン ( アメリカ合衆国第16代大統領 )
It has been my experience that folks who have no vices have very few virtues.
Abraham Lincoln
人材を登用する面接試験では、さまざまな質問が応募者に浴びせられる。
なかでも、回答に苦慮するのは 「 あなたの短所は何か? 」 という質問だ。
自分を売り込む機会に 「 長所 」 を語るのは簡単だが、「 短所 」 を尋ねられた場合、下手な回答をすれば、評価を下げ、自ら墓穴を掘りかねない。
かといって 「 短所はありません 」 などと答えたら、自信過剰で生意気だと思われるし、「 わかりません 」 と言うのも、芸が無さすぎる。
ベスト な回答は、「 致命的でなく、見方によっては長所とも考えられるような短所 」 を選び、一応、改善しようと心がけている態度を示すことだ。
たとえば、作業員系の志望者が 「 私の短所は “ 無口 ” なところです 」 と答えたら、無駄話をせず、真面目に働くと、好印象を受けることが多い。
営業職の場合、「 人と話すのが好きで、つい長話になってしまうんです 」 と答えれば、コミュニケーション能力が高く、適正があると判断されやすい。
誰にでも欠点があり、それは、その人物の 「 愛すべき人間らしさ 」 を示す部分でもあるということを、プロ の面接官なら心得ているものだ。
つまり、人材登用の面接試験では 「 職務能力 」 を知るために “ 長所 ” を尋ね、「 人柄 」 を知るために、あえて “ 短所 ” を尋ねるのである。
ただし、いくら正直に話してくれても、その “ 短所 ” が業務に支障をきたすほど 「 深刻で致命的なもの 」 では、適応能力を疑われてしまう。
たとえば、「 健康上の問題がある 」 とか、「 すぐに暴力をふるう 」 だとか、「 働くのが嫌い 」 などの “ 短所 ” では、マイナス面が大きすぎる。
そういう欠点は、「 改善してから出直してこいよ 」 と思われるのが普通で、ある意味 “ 人間らしい ” と言えなくもないが、採用はされない。
酒に酔って、深夜の公園で全裸になり 「 公然わいせつ罪 」 で逮捕された SMAP の 草なぎ 剛 が、約一ヶ月ぶりに芸能活動へ復帰する。
一ヶ月という自粛期間が、長いか、短いか、あるいは妥当だったのか、人によって評価は異なるだろうが、同情的な見方をする人のほうが多いようだ。
深酒を好む習慣は、どの程度かによって 「 致命的な欠点 」 か、それとも 「 愛すべき人間らしさ 」 なのか、判断が分かれるであろう。
罪状は 「 公然わいせつ 」 ということだが、裸になったかどうかよりも、酒による失敗で、どのような被害を世間に及ぼしたかが問題かもしれない。
事実、泥酔したが裸にならなかった 中川 財務省 は、更迭後、復帰の目処もついていないが、草なぎ 剛 の復帰を待ち望む人は、大勢いるのである。
個人的な意見として、彼の酒癖の悪さは、欠点かもしれないが 「 致命的 」 というほどではなく、むしろ 「 愛すべき人間らしさ 」 に近いと思う。
若年層の ファン も多いので、その影響力からみても、頻繁に繰り返さないほうが好ましいけれど、反省のため、禁酒、断酒までする必要はない。
彼にとって、適度な飲酒が ストレス 発散の手段であったのならば、世間の目を恐れ、禁酒、断酒することで、心身の調和を乱すほうが心配だ。
抑圧されて気を病み、クルクルパー になって精神科へ通うようでは、泥酔し裸になるよりも ファン が悲しむわけで、彼自身の責任が果たせない。
同じような失敗を繰り返さないため、もちろん反省はするだろうが、大袈裟に悩みすぎず、今後、また元気に活躍されることを期待している。
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