2009年04月25日(土) |
豚インフルエンザ ぐらいで騒ぐな |
「 人生で犯す最大の誤りは、誤りを犯しはしないかと絶えず恐れること 」
エルバート・ハバード ( アメリカの作家、工芸家 )
The greatest mistake you can make in life is to be continually fearing you will make one.
Elbert Hubbard
人間の性格の大部分は、5歳 ぐらいまでに決まるという説がある。
もちろん、成長過程で変化はするが、幼児期に受ける影響は大きいのだ。
子供が幼い頃は、危険な目に遭わないよう監督する責任が親にはあるが、よほど大事故につながらないかぎりは、のびのびと育てるほうが望ましい。
それは、たくましく心身を鍛えるだけでなく、できるだけ、「 危ないよ 」 とか、「 それをしては駄目 」 などの “ 否定的な言葉 ” を控える意味もある。
親から “ 否定的な言葉 ” ばかり聞かされ育った子供は、無意識のうちに、なにをするにも ビクビク と、誤りを犯さないか恐れる性格になりやすい。
小心者も、豪放磊落な者も、いづれは失敗を繰り返しながら、なにをしてはいけないのか、自然に学ぶものだから、なるべく自由にさせればよいのだ。
小さな誤りを恐れ、慎重になりすぎて、もっと大きな危険に気付かない人も多いが、そうした人物の意見には振り回されないように注意すべきである。
メキシコ や アメリカ で 「 豚インフルエンザ 」 の感染者が続出した問題で、世界保健機関 ( WHO ) は、「 公衆衛生上の緊急事態 」 と認定した。
メキシコ 政府筋の発表によると、感染者は1324人、死者は81人に増え、ニュージーランド でも、メキシコ 渡航者に感染の疑いが浮上している。
全米の感染者は 3州 11人 で、このほか、ニューヨーク の私立高校でも、最近 メキシコ を旅行した生徒8人の感染が濃厚となった。
その他の国をみると、最近、メキシコ から帰国した人のうち、スペイン では 3人、フランス では 2人、イスラエル では 1人に感染の疑いが出ている。
どうやら、メキシコ に感染源があるということで、メキシコ 行きの ツアー が敬遠されたり、中止になる騒動が発生しているようだ。
過去に一度だけ、仕事の関係で メキシコ・シティー に行ったが、強く印象に残っていることは、当地が世界一の 「 大気汚染国 」 であるという事実だ。
工場が集中し、自動車の交通量が多い都市は他にもあるが、当地の標高は 2300メートル もあって酸素が薄く、とにかく不完全燃焼が起きやすい。
そのため、世界中のどの都市よりも、危険な ガス が原因となった スモッグ に覆われており、深刻な大気汚染が原因で、毎年、多くの人が死んでいる。
また、スラム が多く、路上には ストリートチルドレン が溢れて、タクシー は リプレ ( 特急強盗 ) と呼ばれ、多発する犯罪で命を落とす者も多い。
私が行ったときも、「 車からは降りない 」、「 赤信号でも停止しない 」 ことを指示され、用を済ませた途端、さっさと引き上げた次第である。
数年前、アメリカ の牛肉が BSE ( 牛海面状脳症 = 狂牛病 ) の疑いありと騒いだときも、私は、まったく気にせず、アメリカ で牛肉を食べていた。
毎年、インド では 17000人 が 「 狂犬病 」 で死んでいるけれど、アメリカ で何人が 「 狂牛病 」 で死んだというのか。
メキシコ で死にたくなければ、豚 を食べないことより空気を吸わないこと、アメリカ では、夜更けに散歩しないこと、インド では、犬 に触らないことだ。
なんでもかんでも ビクビク して、あれも危ない、これも危ないと避け続ける生き方は、一見、安全なようにみえて、実は、精神衛生上、よろしくない。
アメリカ産牛肉でも、メキシコ産豚肉でも、中国産ギョーザでも、まるで気にせず食べる私が 「 一度も病気をしない 」 のは、奇跡でもあるまい。
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