2009年02月01日(日) |
「 首切り列島 」 の先にある未来 |
「 成功するには、成功したいという気持ちが、失敗することへの
恐れを上回っていなければならない 」
ビル・コスビー ( アメリカの俳優、コメディアン )
In order to succeed, your desire for success should be greater than your fear of failure.
Bill Cosby
誰でも失敗は怖いが、それ以上に 「 成功したい 」 と強く願うことだ。
夢を実現させるためには、積極的で、大胆な精神が必要となる。
日本人の多くは、引っ込み思案で、控えめな性格をしており、良く言えば 「 謙虚 」 なのだが、外国人の目には 「 自信がない 」 ようにも映る。
たとえば、「 この仕事が出来ますか? 」 という質問を投げかけた場合に、アメリカ人や中国人は、自分がやりたければ即時に 「 Yes 」 と答える。
日本人は、まず、それが自分の 「 やってきたこと 」 なのか、「 やれること 」 なのか、「 やりたいこと 」 なのか、3つの角度から分析を始める。
そして、すべて揃っていれば 「 やれます 」 と答えるが、2つならば曖昧に 「 やれそうです 」 と答え、1つなら 「 わからない 」 と答える。
たとえ不慣れな仕事でも、続けている間に上達することもあり、やりがいを感じることもあるはずだが、失敗への恐れが、不安な気分にさせるようだ。
不況の影響から、連日のように大手企業の 「 派遣切り 」 や、正社員をも含めた解雇の計画が発表され、いまや日本は 「 首切り列島 」 と化した。
このままでは、春までに 40万人規模 が職を失うのではないかという試算もあって、景気回復の目処が立たぬ中、行き場のない失業者が溢れている。
働く気があっても、職がないのなら仕方ないと、世間は彼らに同情的だが、不思議なことに、いまでも 「 人手不足 」 な業界は存在するという。
大手の外食チェーン店、タクシー会社、介護ビジネスなどでは、ご丁寧に 「 未経験者歓迎 」 と告知しているが、あまり人は集まっていないらしい。
求職者の中には、「 仕事があるだけでも有り難い 」、「 贅沢は言えない 」 と、異業種に挑む人もいるが、職種を選び、二の足を踏む人も多いようだ。
こうした状況をみて、「 けしからん 」 とか 「 甘い 」 と批判する人もいるが、仕事を選ぶだけの “ 余裕 ” があるのなら、他人が干渉する必要はない。
求人案件があるのに働かないのは、いますぐ働かなくても生活できるだけの余力があるか、そこまでして働く気が無いか、どちらかである。
政府に 「 雇用対策 」 を求める声も多いが、国が用意できるような仕事に、さほど魅力的なものは期待できないので、やはり応募者は少ないだろう。
世間には、生活保護レベル以下の収入しか得られない職場に従事する人もいて、それでも頑張って働いている現実を忘れてはならない。
各々に、職に就けない事情があって、景気対策が必要なことは認めるが、現在、職のある人も、不平不満や、将来への不安と無縁ではないのだ。
人によっては、転職して、収入が減ることへの不安もあるだろうが、まず、働いて収入を得ることが先決と考えるべきだろう。
以前、アジアの貧しい国の人に、「 日本で2日働けば、1万円以上の収入になり、1万円の米が買えれば、1ヶ月以上は餓死しない 」 と言われた。
その気になれば、少ない収入でも生活できるわけで、収入に見合う以上の生活をしようとするから、高望みをし、それで職に就けない人も現れる。
新しい仕事への挑戦を恐れず、贅沢や虚栄心を捨て、収入に見合う生活を心がければ、成功へのドアが開く可能性は高いはずだ。
たとえ絶望の淵にあっても、未来は、それに向かって果敢に挑戦する者を待っているのだと、信じて突き進む姿勢が望ましい。
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