Tonight 今夜の気分
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2007年01月07日(日) ハムレット男に気をつけろ



「 弱き者よ、汝の名は女なり 」

               ウイリアム・シェイクスピア ( イギリスの劇作家 )

Frailty, thy name is woman!

                            William Shakespeare



文中の英単語 「 frailty 」 は、脆いもの、壊れやすいものを意味する。

シェイクスピアの悲劇 『 ハムレット 』 に登場する、有名な台詞の一節だ。


名作と呼ばれているので一応は読んだり、映画化や、舞台化されたものを観たりもしたのだが、私には 『 ハムレット 』 の魅力がまるで理解できない。

ハムレットの母親は、夫である国王 ( ハムレットの父 ) が死ぬと、まもなく国王の弟と再婚する。

このことを快く思わないハムレットは、女とは貞節堅固でなく自分の欲望に支配される 「 意思の弱い者 [ frailty ] 」 と決め付け、冒頭の台詞を吐く。

このあたりは、よく冷静に、客観的に眺めてみると、再婚した自分の母親を恨んだり、罵ったりする 「 わがままな甘えん坊 」 の愚痴でしかない。

むしろ母親のほうは 「 弱き者 」 どころか、どんどん再婚して自分の人生をやり直そうとする 「 たくましさ 」 があって、前向きな生き方をしている。


ハムレットのほうは、自分の母親が叔父と再婚したことを恨み、そこから父の亡霊を見たなどと言って狂人のふりをし、滅茶苦茶な行動を繰り返す。

その後、大臣を殺し、恋人を狂死させ、母を殺し、叔父を殺し、友達を殺し、しまいには自殺するという 「 救いようのない凶悪犯 」 になり果てる。

世の通説では 「 偉大な悲劇 」 とされているが、わがままでネクラな青年の陰気な犯罪心理劇であって、ちっとも感動する場面など見当たらない。

行動もそうだが、有名な 「 生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ 」 などといった台詞から、ハムレットが重度の 「 鬱病 」 であることも明白だ。

自己愛型人格障害の主人公が、母親に 「 裏切られた 」 と曲解して精神を病み、周囲に害悪を巻き散らしていくドラマの、どこに感動があるのか。


けして名作悲劇などとは思えない 『 ハムレット 』 だが、最近、相次いでいる家庭内殺人の背景を考えるには、なかなか参考になる部分も大きい。

本来なら、もっとも親しく、愛情と理解が深いはずの親子関係ではあるが、ひとたび、それが 「 裏切られた 」 と感じた場合、極端に歪むこともある。

それに、事件を報道するマスコミや、ブログで意見を述べる人たちも、特に男性の場合は、マザコンからくる 「 母親への依存 」 が表れやすい。

たとえば最近の 「 母親がスノーボードに出かけている間に、2歳児の坊やが焼死した 」 という事件に、「 鬼母である 」 と、大騒ぎする人が多かった。

その翌日に、「 父親が幼児を暴行死させた 」 という事件もあったのだが、マスコミの扱いは小さく、それを取り上げるブログも見当たらない。


犯罪性、凶悪性から判断すると、「 故意ではない、若い母親の不注意 」 と、「 故意による残虐な犯行 」 では、どう考えても後者の罪が重い。

しかしながら、特にマザコン思考の強い 「 母親依存型 」 の男性や、自己愛傾向の強い人の場合は、そのあたりの順序が逆になるようである。

彼らにとっては、「 母親は自分の欲望や、気晴らしをする資格などない 」 という決め付けがあり、いついかなるときも、子育て中心でないと許されない。

つまり、「 子供が焼死したこと 」 よりも、「 子供から注意を逸らした 」 ことへの異常なまでの怒りが大きく、すべてはそこに帰結するのである。

母親だろうが、一人の女性として、人間として、ストレスもあれば気晴らしも必要なのだが、そんなことは全く考えようとはせず、極端な意見に走る。


もちろん、気晴らしにも限度があり、子供を放置死させた責任は重いけれど、家事、育児を分担しない父親や、妻子を棄てる男性にも問題はある。

その点には一切ふれず、鬼の首でもとったかのように、母親側の育児責任ばかりを追及する男性が、このところ世間には多いように思う。

本当の男らしさとは、家事、育児をしないことではなく、女性への思いやりに長けていることであり、「 お互いの責任 」 を全うすることではないだろうか。

私の周囲にも、ごくたまに奥さんが不在したときなどに 「 子供の面倒をみて、大変だった 」 などと吹聴して回る男性がいるが、実にみっともない。

奥さんのほうは、やむをえず一日外出しただけで、いつまでも恩着せがましく言われるので、「 二度と出たくない 」 などと漏らしているようだ。


こういう男性にかぎって、些細なことで気を病んだり、すぐに 「 生きるべきか死ぬべきか 」 と世を憂いて嘆き、いざとなったときに意気地がない。

まさに、「 現代版ハムレット 」 ともいうべきマザコン男の典型である。

他人にまで聞こえるように 「 生きるべきか死ぬべきか 」 などと呟く行為は、独り言ではなく、周囲に甘えているだけのことだ。

家庭の崩壊も、教育現場の荒廃も、父親をはじめとした 「 力強い男性 」 の減少によるところが大きく、そこから世の中がぐらついているのだと思う。

女性に甘えてみるのも 「 たまに 」 はよいが、依存し過ぎると呆れられるし、そういう人間は家庭以外でも、どんな組織にいても頼りにされない。






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