Tonight 今夜の気分
去るものは追わず、来るものは少し選んで …

2005年01月08日(土) 自分という存在



「 あなたという存在は、あなたへの神からの贈り物である。

  自分をどのような存在にするかは、神へのあなたからの贈り物である 」

                              アンソニー・デラ・ヴィラ

What you are is God's gift to you.
What you make of it is your gift to God.

                          ANTHONY DELLA VILLA



ふと、最近の私の仕事について、ここに書いていないことに気づいた。

少しだけ、そこにも触れておきたいと思う。


現在、私は一般的に 「 コンサルタント 」 と呼ばれる職業に従事していて、一つは企業向けの 「 経営指南 」 みたいなことを、自営で行っている。

それと、もう一つは 「 就職したい人 」 や、「 求人をしたい企業 」 に向けて、相談に乗ったり、お手伝いをする仕事を昨年から始めた。

いわゆる 「 人材ビジネス 」 という職種で、実はかなり前から興味があり、やろうか、どうしようかと悩んでいたところ、知人から誘いがあったのだ。

今すぐ収益に結びつけるのは厳しいが、本業とも交差する部分が多いし、勉強になることも多く、やりがいも感じるので、続けてみようと思っている。

先月の実績でいうと、4人の求職者を、各企業に就職させていただいた。


この仕事では、「 カウンセリング 」 が重要な役割を担っている。

私自身は、まだ 「 カウンセラー 」 の資格を取得していないので、有資格者との共同作業によって、求職者のお世話をする方法をとっている。

法的にも 「 人材紹介業 」 というのは免許制になっており、設備やら、資格を持つスタッフやら、いろいろと整備しなければ始められない。

だから今は、某企業の 「 顧問 」 という形で、この仕事に携わっている。

将来的に 「 やっていけそう 」 な自信がつけば、自分の会社に人や資金を投下して、すべて自前でやるかもしれないが、現在は 「 修行中 」 だ。


就職活動をする人は、まず 「 セルフ・アウェアネス [ Self-Awareness ] 」 から作業を始めなければならない。

これは、簡単にいうと 「 自分の状態に気づくこと 」 である。

自分自身のことだから、わからないはずがないと思われがちだが、意外と、この作業が難しく、人によってはものすごく時間のかかる場合がある。

大抵の人は、認めたくない欠点や、他人からの評価よりも自信を持っている点、あるいは、他人は気にも留めないのに気にし過ぎる劣等感がある。

そういったものを総合した 「 自分の市場価値 」 というものが、一体、どの程度のものなのか、正確に理解している人は皆無に等しい。


もちろん、ここでいう 「 市場価値 」 というのは、希望する職種に就業するという範疇の話で、それが即ち 「 その人の値打ち 」 というものではない。

また、業種、業態によって、当然のことながら、尺度は変わってくる。

いくら能力が高くても、若者に比べれば中高年の就職は難しいし、希望する報酬が高かったりすると、求められる水準も高くなってくるものだ。

ここでは、そういった 「 プライド 」 とか 「 こだわり 」 のようなものを脱ぎ捨て、裸の自分の 「 たな卸し 」 をする作業が必要となる。

簡単なようだが、素直に自分の価値を受け入れるには、勇気が要る。


また、「 自分は何をしたいのか 」 を知ることも重要だ。

経験があるからとか、得意だからというだけで仕事を選んでいたら、あとで後悔する可能性も高く、せっかく勤めても長続きしない場合が多い。

就職難だから、自分の意志ばかりを押し通すのも難しいが、希望する条件や、どうしても譲れない事柄があるなら、先に整理しておいたほうがいい。

企業としても、能力が高いだけで 「 やる気がない 」 ような人を選んでしまうようでは、よい結果に結びつかないので、得策とはいえない。

むしろ、当初は経験不足でも、情熱を持って吸収していくような人材を採用したほうが、双方にとって成果が望めるというものだ。


これらを総合して、自分は 「 何をやってきたのか 」、「 何ができるのか 」、「 何をやろうとしているのか 」 を分析し、その答を見出していく。

そして、その 「 答 」 に相応しい職場を探し、果敢に挑戦する。

こうして見つけた仕事なら、面接官から志望動機を尋ねられても、その場でうろたえたり、「 貴社の将来性が・・・ 」 などと、ありきたりな返事はしない。

きちんと、「 私はこういう人間です。だから、貴社にこのような利益をもたらします 」 と、核心をついた解答が明確に述べられるようになる。

これこそが、「 勝つ面接 」、「 勝つ就職活動 」 の極意ともいえるだろう。


私の仕事は、各求職者をそのように誘導することと、彼らの希望する条件と適正に見合った就職先を探し出し、面接まで 「 お膳立て 」 する作業だ。

人それぞれだが、大抵は難しいし、彼らの人生に大きな影響のある仕事なので責任も重いが、その分、やりがいもあるし、面白い仕事でもある。

希望する職場へ就職ができた人や、理想の人材が獲得できた企業からはとても感謝され、間接的には 「 本業 」 のほうにも相乗効果がある。

おそらく、こんな 「 他人の世話を焼く 」 ような仕事をやるようになったのは、自分が年をとったせいで、10年前ならやらなかっただろうと思う。

それに、自分自身が 「 ある程度の人生経験 」 を積んでいなければ出来ない仕事なので、あまり若すぎても難しいのではないだろうか。


私は、晴れて就職を果たした人たちには、「 これからが本当の勝負だ 」 ということも話している。

彼らを舞台に上げ、活躍する機会を与えるまでの手伝いは出来ても、その先は彼ら自身が、自らの力で切り拓いていかなければならない。

この仕事を通じて、大阪府や、厚生労働省の方々と話す機会も増えた。

今年は、「 ニート [ Not in Employment, Education or Training ] 」 と呼ばれる、無職の若者たちへの就職支援にも、力を貸すように求められている。

そんなわけで、なかなかに忙しく、温泉も、スキーも我慢して、恋する暇さえありゃしないのが、ここ最近の状況なのである。


( 本日のおさらい )

「 “ NEET ” VS “ OLDSOLDIER ” どちらが勝つか、お楽しみ 」






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