部長motoいっぺい
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2004年01月17日(土) 日米メディア比較と、草の根民主主義

日本では、自衛隊のイラク派遣(派兵)問題が、メディアに大きく取り上げられている。この問題はメディアによって、ずい分と主張が異なっており、Y売新聞は「自衛隊派遣は国際貢献の一環として当然」、A日新聞は「戦争状態にある国に、自衛隊を派兵するのは反対」と主張しているようだ。

一方、元旦の小泉首相の靖国参拝問題では、Y売新聞が中韓の反応を「自国の伝統に対する内政干渉」と、参拝を支持したのに対し、A日新聞が「東南アジア諸国との国際関係に悪影響がある」と反対したのが、面白かった。というのは、自衛隊問題ではY売新聞が国際関係を強調し、靖国問題ではA日新聞が国際関係を強調し・・・。一体、どちらの新聞が「国際関係」を真剣に考えているのかと。


以前に通っていた、コミュニティーカレッジのクラスでのこと。各国のメディアの話題になり、僕は「日本には大きな新聞社が二つあり、それぞれがかなり異なる主張を展開している」という説明をした。するとクラスメートおよび先生から、「それは素晴らしいことだ」と、賞賛された。

メディアに対する批判は多々あるが、確かに日本ではいろいろな問題に大して、賛否両論を聞くことができ、その中で自分の意見に合うものを選ぶことができる。また、自分の考えと違う意見を読み聞きすることもでき、より考えを深めることもできる。その点においては、とても恵まれた国だと言える。

アメリカのメディアを見ていて、あからさまに「イラク戦争反対」と主張しているのを見たことがない。僕の感覚では、アメリカのメディアの方が、日本のメディアよりも考え方の幅が狭いと思う。

ただ、この国の素晴らしいところは、メディアの動きとは全く関係なく、「草の根運動」で自分たちの考えを主張することが、ごく自然に行われているということだ。僕の通勤経路のフリーウェイの上にかかる歩道橋にも、半年以上、毎朝数人が国連の旗と、「No War」と書いたプラカードを持って、反戦運動を行っている。また、車に自分たちの主張(反戦に限らない)を書いたステッカーを貼っている人も、決して珍しくはない。

日本には、「そんな事したって、何も変わらないさ」と、最初から何もしない冷めた空気が流れているように思うが(僕もその中の一人)、左右を問わず、「自分の主張を広めるために、自分に出来るアクションを起こす」というアメリカの国民性は、確かに民主主義のお手本と言えるものだと思う。


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