部長motoいっぺい
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2003年02月20日(木) 戦争と平和とアメリカ人(その2)

考えようによっては、先進国の中でアメリカ人ほど純朴な国民はいないかもしれない。

イラク問題に関して言えば、「イラクは悪い国だから、アメリカが世界の安全のために戦わなければならない」と、固く信じている人もいるし、またマスコミで「炭疽菌攻撃を受けたときのために、ダクトテープを用意しておきましょう」と流れると、店からダクトテープが無くなるほど売れる。

ちょっと考えれば、「フセインは悪いヤツかもしれないが、イラク国民は・・・」の先が続けられるだろうし、また「ダクトテープごときで、化学兵器の攻撃から見を守ることができるわけがない」ということに気づくと思う。


加えてアメリカ人は、徹底的に白黒をつけたがる。

ちょっと別の事例だが、以前出張でアメリカに来ていた時に、大きな地震に遭遇したことがある。その時会議中だった僕は、揺れが少しおさまった時に非常口から建物の外に避難したのだが、会議室の中には、パスポートと帰りの航空券が入ったかばんを残したままだった。会議室は非常口から近かったので、ものの10秒もあれば持ち出すことができたのだが、建物の安全が確認できないという理由で、その日はその建物に一歩も入ることができず、結局かばんは翌日になるまで持ち出せなかった。

この時意外だったのが、一緒に会議に出席していたオランダ人のエンジニアが、

「まったくアメリカ人ときたら、なんでもかんでも白黒つけやがって。少しは融通を利かせろっつーの!」

という言葉を発したことだった。

それまで僕の中では、「欧米人」という括りでしか捕らえていなかったのだが、「アメリカ人とヨーロッパ人(少なくともオランダ人)で、考え方がちがう」という、ごく当たり前のことに気づいた出来事であった。


話が少々ずれたが、イラク問題を語るときに、アメリカ人の、この「純朴さ」と「白黒つけたがる国民性」を抜きにはできないと思う。
「フセインは悪いやつだから、やっつけてしまえ」という「純朴な正義感」が、「黒」と認定した悪者を成敗せずにはいられないのだ。


と、ここまで意図的に「石油の利権」とかいった政治的な話を抜きにして書いてきた。それは、実際のところは僕達一般人には計り知れないところであるという理由と、一般のアメリカ国民にとってそんなことは、どうでもいい話だからである。

僕が不思議に感じたのは、「政府がイラクを攻撃する」と宣言した時に、それを支持する国民がなぜこれほど多くいるのかということだった。

しかしここに来て、ようやく反戦デモなるものが活発になってきて、国民の受け止め方も変わってきたように思えるのだが、長くなったのでまた明日。


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