続きましてFブロックの感想です。
おそらくup作業の合間に正解発表になってるかもしれませんが……
ううう、とりあえず書くだけ書いてあげます。読み違えがあったら申し訳ありません。
F01 狭間
これは夢の世界を描いているのでしょうか?
目の前には素敵なティールーム。隣りには素敵な紳士。私の中ではアリスのお茶会なイメージが。
「大切なのは選ぶことじゃなくて目標にたどりつくこと」「どっちかが正しい」じゃなくて「どっちもアリ」という、その考えがいいな、と思いました。そう考えることで心に余裕ができるというか。
読後はとても穏やかな気持ちになりました。
F02 覆面朗読会を始めましょう
譲れないものは譲れない。そう言えたらまた違った結末を迎えたかもしれません。なんだか「親しき仲にも礼儀あり」という言葉が浮かんでしまいました。
イザベラは優しすぎるな。もっと強く言えばよかったのに――と悶々とした気持ちがまだ残っているのは私だけでしょうか?
最終的に二人は和解してますがその後の関係にはまだしこりが残っていそう……と思うのは私だけ?
精神的に成長してるなら笑い話で済むけど、こういうのって結構引っかかったままだと思うんだな。とても面白い作品だったけど。
イザベラが「ほら、やっぱりそうでしょう?」と心の奥でドロシーを見下してそうな、そんな意地悪な深読みをしてしまった作品でした。
F03 モノクロメトロ
最初は何かの擬人化かと思いましたが、それとはちょっと違う感じ。人間の感情や心理を切り取った作品とでもいうのでしょうか。
というか黒いっ! 「黒いあたし」よりも「白い彼」の方がどんだけ黒いんだ!
白は純粋なイメージがありますが、純粋故の怖さを突きつけられた気がします。
F04 ハートブレイク・ランニング
>走りだす前の鼓動は、少しだけ恋と似ている。
この一文でランナーのはしくれはノックアウトしてしまいましたよ。ああ走ってる走ってる。青春だ!甘酸っぱーい、みたいな(笑)
この「嫌なことは忘れよう」「まだまだ終わりじゃない」的な考え方はすごく共感できて、こっちが悶えてしまいました。
相手のいいところばかり見て、弱さやずるさと向き合えてなかったと気づいただけでも舞ちゃんは成長してると思います。きっと次はいい恋ができるはずだ――っ。ファイト!
F05 いろはつき
二作続けての青春モノ。こっちは先生に恋しちゃう展開ですか。
というか、葉月先生はたらしだろーーーっ(笑)冒頭のアレは乙女に刺激的でしょうが。
「いろはつき」という言葉がとても柔らかくて、それなのに物語をしっかりまとめていて素敵。
初恋は苦いもので終わってしまったけど、主人公に幸あれとエールを送りたくなるような作品でした。
F06 太陽と月の王国
とても読みやすくておもしろかったのですが、やっぱ旅人こええええっ。国ひとつ滅亡に誘導しちゃうなんてなんとも残酷な奴じゃー。
童話ってほのぼのと残酷が紙一重だと改めて感じてしまった一作。
それでも王子さまが国を取り戻してくれてよかった。
F07 許し
一文一文がとても痛くて重い。悲鳴を上げているようにすら感じます。
きっと藤沢先輩は主人公を責めたりはしないと思います。自分の死を乗り越えてほしいと思っているはず。毎日を一生懸命生きてほしいと願っているんじゃないのでしょうか。
雪山の厳しさがひしひしと伝わってくる描写、主人公の苦悩が心に突き刺さりました。
F08 愛情木端微塵斬り、同情十把一絡げ
タイトルを見てどんな話じゃ、と思ったらこれは最強のストーカー、最強の片思いですね。
しかも最後の最後でちょっと報われるという。ああ、でもミロイにとっては幸せな人生だったのかな?話の様子からだとシャギは独身を貫いているようだし。
最後、おじいちゃんおばあちゃんになった二人の憎まれ口を想像したら口元が思わず緩んでしまいました。
F09 絶筆「明赫」〜建館の由来
読みながら、フェス様の描く赤の世界を是非見てみたいと思いました。
最期は辛い目に遭って、絵を辞めざるを得なかったけど、後世で認められたのが唯一の救いだったのかもしれません。
少女が紡ぐ優しい語りがフェス様の人柄を表しているというか、本当にフェス様が好きだったんだなぁというのがしみじみと伝わってくる作品でした。
F10 俺 in QQ 24時
大規模な事故などが起きた時に採用されるトリアージが普及している世界。
ブチ切れちゃったお父さんの気持ち、今の私ならちょっと分かるかも。
本当、子どもの異変にはすごく敏感になってしまうんだ。一度辛い目にあってるなら、命の重さを知っているなら尚更だろうな。大したことないことでも大丈夫だよ、という安堵がほしいんだ。
主人公にとっては今の仕事と向き合ういい機会だったのかもしれません。主人公のさらなる成長を祈ります。
F11 『四本の筆』
最低限の色を重ねることで無限の色彩を作る――そういった作品を私も現代もので書いたことがあるのですが、設定の違いでしょうか。この作品はものすごく上品な香りを感じました。
温室でのくだりを読んで色々と想像が掻き立てられます。
彼女の描いた作品は後世まで愛されるのでしょうね。二人の友情に少しだけ胸が熱くなりました。
F12 白蛾降る
雪を白蛾に例えたのが斬新でした。情緒があってどこか寂しさを漂わせる文章が雪の寒さをより引きたてているのではないかと思います。
とつとつと今までのことを語る主人公、その波乱万丈さにこちらの心がちくり。
というか主人公息絶えてしまうのですか? その後どうなったのかがすごく気になります。