推理期間満了まであと半月とちょっと。
なのに感想二ブロック目ってどうよ?
なーんて思いつつ。
短いですがAブロック感想を書かせていただきました。
基本は個人的主観。少しだけ推理っぽいことも書いてます。
(※注は読後感に注意の略)
A01 締切直前における特定の覆面作家企画4参加希望者の漸近線的記録あるいはマグネシウム燃焼時的アイデア
記念すべき最初の作品。タイトルに度肝を抜かれました。口にしたら舌噛みそう。どこかにありそうな締め切り間際の修羅場なんだけど、web作家の心理をとても掴んだ作品でした。
私も一個の拍手だけでごはん三杯いけます。そして昔は「執筆>試験勉強」なる法則があって試験前日まで勉強そっちのけで書いていました。意外に筆が進むんですよ、この時期は(ただの現実逃避だけど)
そして「ラヴな長編ファンタジー」に一度吹いてしまいました。「あす夜」本当にあったら一度読んでみたい。
A02 □□■□□ □□□■□
暗号解読なSF。最初コンピュータの話になったので2進法や16進法を疑っておりました(笑)でも全然解けないっ。ということで、皆様の感想をカンニング参考にして……おお解けた。そういうことだったんですね。
プロローグ的なものを感じるような。これから何かがおきるかも、という期待を乗せつつ。「明日が来るまで」のお楽しみということですね。結びの文章はなんだか「魔女の宅急便」を思い出しました。いいなぁ、13歳。アスの考えとか、台詞が可愛いです。
A03 アガトの巡礼
心にどしーんときました。序盤は「西方浄土」を思わせ、終盤は「バンザイクリフ」を思い出させる作品。鈴の音がとても印象的で、読み進めていくうちに神ってなんだろう、って思ってしまいました。目に見えないものだからこそ憧れるのでしょうか? 近づきたいと思うのでしょうか? そこに輝かしい未来があると信じられるのでしょうか?
私は年に一度神社でお参りする位の人なのですが「信仰」について改めて考えさせられます。
結びの文章に主人公の心の強を感じました。
A04 クロランドの流れ矢
青年が放った矢が娘さんの所に行きつくまでの流れの中を聞いて「加工貿易」という言葉が出てきてしまったのは私だけかもしれません(笑)
中盤〜後半、婿取りのために必死なってるお父さんたちが面白かったです。
舞台は架空の国なのに、彼らの口ぶりが江戸っ子っぽいというか、粋な感じですよね。最後も何だかんだでラブラブ展開。縁ってものはやっぱりあるんです。
それにしても、間違いで戦争が起こらなくてよかったですね〜
A05 狼は邪心を知る
のっけから首っ。首が水面を跳ねたのに「何かのホラーですかっ」と思ってしまった私。大蛇という異色の組み合わせに主人公以上にびびりまくり。
そして最後のオチにしてやられました。
「道」の漢字の解釈については「その昔、多民族の土地を進む時に切った首を持って歩いていた」というのが有力説のようです。
部首である(しんにょう)の元となる字は「行」と「歩」の合成だということで。
留学生さんたちも理解してくれるといいなぁ、と思いつつ。これはこれで面白かったです。独特の言い回しも粋でした。
A06 たとえ何があっても
少年たちの友情物語ということで、クェスの孤高ぶりが非常に目立っておりました。女心を狙ったかのような描写が綺麗です。空を飛ぶ時のシーンがすっと脳裏に浮かんできました。
主人公、貧乏くじですねえ……でも長男に生まれちゃったから仕方ないやい、という開き直りが素敵です。欲を言えば机上実践を掘り下げて、よりリアリティが欲しかった気がします。
A07 ドM道
序盤から笑わせてもらいました。タイトル通りのMっぷりに脱帽なSF。道そのものが未確認生物という、つくも神な感じがいいです。地の文と台詞にとても勢いがあって、すらすらっと読めてしまいました。こっそり劣等感を抱いている兄ちゃんの冷静さで話を引き締めつつ、弟くんの言葉に救われてよかったね。
それにしてもミッチーのキャラが濃すぎるなぁ。踏まれることが生きがいって……実際こんなのが地球上陸したら怖いです(笑)
A08 大都会の秘密基地
私も子供の頃は秘密基地作りたがっていたなぁ、と思いを馳せつつ。
少年少女の時代はって「危険」と書かれているものがあるほど好奇心が高まるというか、想像力が豊かになるような気がします。
それにしても、下水処理施設の上を公園にというアイディアは素晴らしいですね。また、大人になってから過去の思い出を見つけた時の嬉しさが文章に優しく表れていました。図書室にあった社会の本を思わせるような淡々とした語り口(やや回想に近い?)に覆面さんが誰かを確定。ちょっとにんまりです。
A09 空の果て、あの道に
死刑台に向かう少女の話。胸が締めつけられました。
命が限られた時間しかないからこそ、彼女の脳裏に浮かぶ故郷の風景や愛しい人の姿がとても美しく、そして切なく思えるのです。最後の最後で妹と同じ名を持つ青年に出会ったのは、レンにとってのささやかな救いだったと信じたい。
二十枚以内という制限の中で、空をここまで広大に表現できる作家さんが素直にすごいと思ってしまいました。最後の一文が今もまだ鮮烈に残っています。
A10 月のゆりかご
退廃した未来を描いたSF。人間そのものが機械化していくも、心が温まる作品でした。「仲間になる」というのはオール機械化ということでしょうか? それとも地球脱出なのかな? と思いつつ。荒んだ世界の中で残っている家の風景やお風呂の存在がエキゾチックな雰囲気を醸し出していたのではないかと思います。
そして希望を持たせるラストと最後の「うはぁー」にもしや……と覆面さん探り。たぶんあの人かな?
A11 かえりみち
実は一度読んだ時、物語中盤まで瑞希が幽霊だということに全く気付いてなかったという(汗)
話自体は今の時期にぴったりで、好きだからこそ瑞希への思いを断ち切らなきゃ、と苦悩する主人公にぐっときてしまいました。ほのぼのとしているのにどこか切ない。皆、優しいだけに読んでいるこちらの胸が苦しくなります。お盆の風景である送り火や茄子の馬の表現が私にとってはとてもツボでもありました。
A12 もんどう※注
この作品、今回一番の謎かけではないだろうか? 一度読んで「は?」二度で「うーん」三度目の今もぼんやりだったりします。
1は平安時代の女性なら読み取れたのかもしれません。2も小学校低学年の子ならすこし解読できたかもしれない(ひらがな多用に慣れてるので)3〜4で戦いについての話なのかなぁ、と……タイトルだけで理解していく状態です。本文の感想が書けません。37のとおり逃げます(笑)
ただただ、日本が作ったひらがなの力に圧倒されました。