久しぶりに相方を連れて実家に行ってきました。
実家は相変わらず山だらけ、田んぼだらけです。
今は草木が柴色になってとても寂しい景色に見えるけど、フキノトウや菜の花が確かに息づいていて、春の訪れを静かに待っているのが伺えます。
いかにも「田舎」な場所ですが、実家にいると不思議と落ち着いて、心にすっとしみわたっていきます。
最近思うのだけど、自分の出身地について「すごい田舎ですよ」と言うのは構わないのに、他の誰かが偶然その場所を知っていて、何かとケチつけているのを聞くとちょっとムッとしたりする自分がいるんですよね。
愛着というか何というか、自分が今まで生きてきた場所をとても大切にしたい思いがあるのかもしれません。
もう少ししたら実家にいた年数より、離れている方の年数の方が上回ってしまうけど、この気持ちはずっと忘れたくないな、と思いました。
両親は相変わらず元気だったけど、やはり年は取ったなあって思います。
でも、まだまだ廃れることのないのが彼ら。
企画モノが大好きな親父さまは何かのお祝いごとを考えていて、私にスピーチの原稿を考えろと早速言われました。
それくらいは自分で考えろ、と思ったりするんですけどね。
でも「おまえは作文が上手いから」とさりげなく言って持ち上げる親父さまがいるわけです。
今回、その一言が心にがつんときました。
私は今、自分の想いを創作文芸という形で表現しているけれど時々分からなくなってしまうんですよね。
自分は自分だと知っていながらも、やはり周りの目は気になります。
時々大きなことを言ったり書いたりしながら、心の中でびくびくしていたりしています。
どこか自分に自信がなかったりして、オンでもオフでも大事な言葉をかけそびれてしまったり、一足遅れてしまったり。
あとになってひどく落ち込んだりすることもあります。
他の人にしてみれば「そんなのたいしたことないし」と思うかもしれませんね。
それでも「言葉」を書き続けたいと思う意志の断片に、もしかしたら親父さまの言葉も入っていたのかな、と今回ちょっと思ってしまいました。
親父さまにしてみれば「自分の子どもの長所のひとつ」程度なのかもしれないけれど。
私にはとても大事な言葉に思えて、今の私を作り上げてきたひとつなのかもしれません。
それを気づかせてくれただけでも、今回実家に行った意味はあったなと思います。
明日もまっすぐ前をみて歩いていこう。
これからも自分の想いを、言葉を綴っていこうと思います。