かなしいうわさ
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カイシャのフクリコーセー費で2万円弱ぶん本をこうたった。 消費は快楽だねえ(;´Д`) 買った分また売らないと。
内原恭彦「Son Of A BIT」良かった。久々に写真集買った。 ああでもwebで見てたころのほうがグッと来たかもしれない。 ふじいさんのサイトの良さと似ているかな。
業田良家 /新・自虐の詩 ロボット小雪
ロボットが人間の愛玩物として普及している、未来の日本の話。 自分の彼女はロボット。友達の彼女もロボット。昔付き合っていた同級生の彼氏もロボット。 家に帰れば、父親が愛人ロボットと乳繰り合っているのを横目に見ながら、母親の愛人ロボットが作った料理を食べる。 じつは母親がロボット会社のエンジニアで、息子の恋人ロボットも父親の愛人ロボットも母親があてがったものだった。 恋人がロボットであることを疑いなく過ごしている、そんな狂った世の中。 主人公の拓郎も、その友達も、それを疑問には思っていない。 でも、しょせんロボットであることは自覚していて、すこしおかしいな? とは思っている。 「彼女」ロボットである小雪に対しても、モノとしてぞんざいな扱いをしつつも、なんとなしに親しみや情をを感じながら接している。
そんな拓郎のうっすらとした情に触れて、彼女ロボットの小雪はすこしづつ「感情」を持ち始めていく。
公園のなかに林があって、その中に一本だけ大きな木があって、それが特別な木だと感じるのが不思議 その木の根元には苔が生えていて、それが違う植物だとすぐにわかるのが不思議 落ち葉をみて散らかっているとは思わないのはどうして? 公園のベンチになにかのパンフが置いてあって、それが置いてあるのではなく捨ててあると分かるのはどうして? 子供が駄々をこねて泣いていているのがうそ泣きと分かるのは私が心を持っているから? 何で分かるんだろう、おばあちゃんちの家の前の枯れ葉をみて、これは散らかっていると これはおかしいと
おばあちゃんは寝ていたんじゃなくて捨てられていた そんな気がしたよ 仁子ちゃんは夜の街を何日も徘徊しているらしい 仁子ちゃんは作り笑いと本当の笑いがわかんなくなったのかな
ロボットのほうが人間より人間らしいという皮肉。
拓郎の友達一家が破産し、貧民窟である「川の向こう」に行くことになってから、物語は加速していく。 小雪の感情も行動も、どんどん加速していく。 小雪は、行動を起こしながらも 自らを作ったエンジニアでもある拓郎の母に、メールを宛てる。 (母への手紙ってのが自虐の詩を彷彿とさせるよね) そのメールで小雪は 楽しさ、よろこび、悲しみ、怒り そんな人間みんながもっているあたりまえの感情を持ち始めたきっかけを、 ひとつひとつ挙げていく。
はっ、とした。 5秒くらい息が止まった。
小雪をみて、小雪を作った拓郎の母が出す結論がまたすごい。 じつは母は社会のおかしさも人間の愛についても、もろもろ理解していて その上で、小雪が心を持ったこと、そして人間の性というやつに対して とてもおそろしい結論を出す。 その結論のおそろしさのせいで、この壮大な話が「お涙頂戴」でも「社会批判」にもならず するりと終わらず読むものの喉につかえる話になっている。 今もつかえている。でもこれは良いつかえだ。 このつかえは安易に治さずにずっと持ち続けていくといいのかもしれないな。
是非どうぞ。
今日の一曲 あ、なんかそんなことやってたな ノ(;´Д`)
鴨田潤 /空部屋
先日のneco眠るのライブでイルリメはんご本人からこうたCD「ひきがたり」より。 リリカルだよな。すごいよな。 こんな才能が現役で輝いている時期にリアルタイムに音楽をきける幸せをかみしめる。
限定のようだぜ。お早いうちに。
http://www.illreme.com/のNo.463の記事。
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