かなしいうわさ
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2007年09月05日(水) |
フジロック感想文 3日目 その2 |
もう誰も期待していないと思いますが、俺の夏を終わらせるために、もう少しだけお付き合い下さい
Marva Whitney
うーん、オオサカモノレールの演奏がカタいなあ(;´Д`) 緊張してるとかではなく、音にしなりがない。カチカチでポキッと折れそう。ファンクしなやかにしなってナンボ。カタいのはいけない。 しかしマーヴァはそんな音の上をビヨンビヨンとしなやかに跳ねていった。声質に衰えがないのにも驚いたが、なにより全盛期のしなやかさをしっかり湛えた声の力に圧倒された。ということで、バンドの音が入らない、マーヴァ本人のピアノ弾き語りで歌われた超スロウブルーズが一番沁みました。Unwind Yourselfを演らなかったのが残念だけど、おおむね満足。
そしてジョナサン。 昨日の苗場食堂はいわば余興。 今日が本番。マタアトデネ、だもんな。
けっこうな人が集っていて、ホッとする。数年前、ニック・ロウが出たとはこの1/3くらいしか客が居なかったというのに。ああ、みんなありがとうねありがとうね、と感謝の握手をしてまわりたい気持ちをアルコールでぐっと抑えながら、登場を待つ。 勿体ぶらずにひょこっと登場。サウンドチェックだけど、あたたかな声援が会場中から飛ぶ。今日もニコニコなジョナサン。手を振る。歌う。サウンドのチェックとしてではなく、目の前に集う俺らに向かって歌う。アカペラで朗々と歌う。笑う客。それを横目にトミーラーキンスがいつもの簡易ドラムセットをトコスカとチェック。
ひょこひょこっと、袖にひっこむ。
また、ほいほいっと、出てくる。本番だ。
Jonathan Richman
笑い、
歌い、
踊り、
沸いた
ジョナサンのヘンテコな踊りをみて笑う客。その笑いは「哂い」に近いようにも思えたが、それでいい。よい場所で、たくさんの人に、無心にへろへろ歌い無心にひょこひょこ踊るおっさんが、心から哂われている。良い光景だ。天国みたいだ。ジョナサンはエンターテイナーだとは思う、人を楽しませることを自分の歓びと考えている、でも、キングトーンズのエンターテイメントとはやっぱり違うんだ、気を使ってない、いや使ってるか、使っているとしても、彼女のためにおしっこした後は便座をさげておこうかな、という程度のささやかなものだ。ここには、ボケとか、ツッコミとか、出オチとか、空気読むとか、打算とか、計算とか、さっぱりなかった。ひたむきな思いと、健やかな哂いがあった。それでいいじゃないか。だって、ステージが終わったあとに、お客の皆が仲間達と交わしていた言葉には、ジョナサンへのまっすぐな賞賛と心からの笑いではちきれそうだった。俺はすばらしいライブのあとに周囲の人たちのこうした声を聞いてまわるのが大好きなんだけど、本当に皆賞賛していて、楽しげに笑っていて。「哂い」がなかった。 俺が願っていたとおり、ジョナサンは言葉も年代も知名度も超えてくれた。いやいやっ、超えてくれたなんて不遜過ぎるね、プロのエンターテイナーに対して失礼過ぎる。侮っていてごめんなさい。
セットリスト的には前日とほぼ変わらず。判ってはいたが、That Summer FeelingやIce Cream ManやMorning of Our Livesは演奏されなかった。しかたない、ジョナサンはあんな風でも、いやあんな風だからこそ、自分の通ってきた道なんかにはさっぱり興味は無くて、今しか見えてない。自分の今にそぐなうものだけで生きているんだろう。有名曲が演奏されずとも、Let Her Into The Darkness、Her Mystery Not of High Heels and Eye Shadowという、往年の名曲にも劣らない曲たちが素敵なダンスとともに奏でられた。デスモンド・デッカーによるレゲエの名曲「007(shanty town)」なんかも演ってくれて、嬉しかったな。
友人とメシを喰いながら、アヴァロンでyaeさんや黄金の手を観る。yaeさんは加藤登紀子の娘さん。思ったとおりオーガニックなノリ。土は大切ですよ!とかそういう。安易なオーガニックにゃ辟易してしまうへそ曲がりな俺だが、曲がったへそをピンとまっすぐ立たせるような楽曲、声、演奏の良さ。痺れた。人力ドラムンベースみたいな曲が沁みたなぁ、あれは12インチ切るべき。午前4時のフロアに大音量で流れるべき。 黄金の手は、ヴォーカルの女子があまりにもあまりにも可愛すぎる(;´Д`)ということのみが頭に残っております。
迷いながらも、ふらりとバトルズへ。
Battles
すごい人だかり! ああ、数年前小さなハコで観たのが夢のよう。つうかまさか本人達もこんなに歓待されるとは思ってもみなかったんじゃないかな。でも、みんな大丈夫?この人ら相当変拍子よ?ぜんっぜんアンダーグランすよ!?と勝手に心配。しかしそれは全くの杞憂で、しっかりと盛り上がっていた。良かった良かった。 俺的には、とにかく冒頭の初期の頃の3曲にビリビリとシビレタ!ボインボインとしなるギターやキーボードが、それぞれ勝手なビートに乗って頭でっかちな変拍子でふらふらと絡まっていく、そしてそれらの真ん中を、ズダダダダダダダダダガシャボカシャーンドゴボゴスカズーンと刻んでいく御柱のよなドラム。うーん、インディ系のうらなり君が繰り出すダンス音楽としてはこれが最高かも。ヘッド・ミュージックのくせにバキバキに踊れるってんだから。 しかし、4曲目以降、WARPから出した日和ったアルバムからの曲になった途端、変態度がガタッと落ち、気分が醒める。やっぱソウルフラワーだよねえ、とそそくさ移動。
小走りでヘブンに辿り着く。 多くのお客さん。やっぱり、フジのソウルフラワーは特別だって思っている人たちが集っている。いつでも来い!最後の最後にMAXまで楽しんでやるぜ!という客の波動がビンビン伝わる。これまた、いい雰囲気だ。
ソウル抜きなら看板に偽り有りだぜ
中川がギャーと叫べば
オラオラと盛り上がるアホ達。
同じアホなら踊らにゃ損損。
選曲はけっこう地味目だった。フジに出る度に「お前ら普段のライブなんで来いへんねん?(笑)」とかMCしてる中川、ある意味諦めて、普段どおりのライブにしようと考えたのかも。おれ的には大満足でした。「満月の夕」は既にクラシックなんだね。 客が熱烈に盛り上がっている様を見るのも実に楽しかった。 久々にヒデ坊が参加。でもまぁ、別に出ても出なくてもどちらでもいいですわ。
そのままオレンジコートへ移動。 きのう大層感動した、フェルミン・ムグルザ。今年はこれで〆るぜ。
FERMIN MUGURUZA
もともとFishboneが出る枠だったが、Fishboneの急な出演キャンセルによって、フェルミンにお鉢が廻ってきた。これが結果的に大正解。フェルミンの、もう怒りを表現できる音楽ならジャンルとか関係なく何でも喰らっちゃうからな!的ごった煮サウンドで、ドカンドカン盛り上がる。
2年ぶりくらいにモッシュ地帯に分け入りピョンピョンと跳ねた。フジの最後だってのに最奥地に残ってやがるアホどもと心交わりながら跳ねることができて本当によかった。祭りのハイライト、ってとこか。
この後、ジョナサン@クリスタルパレスは混みすぎていて外まきにチラリと眺めた後、ルーキーステージでのサイプレス上野とロベルト吉野でパーリーUPして、〆。サ上とロ吉のおかげで今年のフジもパーッと終わることができた。
こうしてまとめてみると今年も本当に愉しかったなああああ、となる。しかし、実は会場のなかで落ち合った友人たちとは「フジロックに対する俺らの熱量の減少したなあ」とか、果ては「もうフジに来るのも最後かも」てな話もしたりしていたりしたのだ。まあ、別に義理があるわけでもなし、つまらなくなったら行かないし、つまれば死ぬまで行くと思う。今年、こうして振り返って、今年も本当に詰まりに詰まってたじゃん、ということを再認識できてよかったよかった。来年もきっと行きます。
一ヶ月以上もダラダラと引っ張ってすみませんでした(;´Д`) 無事に夏を終えることができました。このままのノリでゆっくりと秋へ向かいます。発射オーライ。
最後がぐだぐだすぎるのはサントリーのせいです 酔ったし、もう寝ますね あとで一寸文章直すかもしれません、ごめんなさい
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