かなしいうわさ
| home |日記の表紙| 前↓ | 次↑
2007年08月09日(木) |
フジロック感想文 初日その2 |
感想文1回目は前日の日記をご参照ください。まあ着いてカレー喰うしかしてないので読まなくても... 今日も既に酩酊してます(*´ー`)でも頑張ってかきますウッヒョー
2007.7.27(金)初日
グリーンステージ到着。適度な込み具合。 シマックと合流して、キュアーを待つ。周りの人を見回すと、やっぱり年齢層高め。俺もナ。
The Cure
ステージを薄暗い照明が照らす。グオーン、フォーン、という仰々しいSEが鳴り響く。盛大なスモークが吹きあがる。メンバーが現れる。 ロバスミもスモークの中からひょっこり登場。 化粧が本気だ!!

いいぞ。これなら今日はいいな。今日はいける!と根拠のない確信が沸いてくる。 1曲目は名盤「Wish」収録の"Open"だったかな。ギュオー!おお、うねってる。初期の音源みたいにペナペナじゃないのか。轟音キュアー。 しかもキュアーらしからぬグルーヴィーな演奏。暗い曲調でもガシガシ踊れる。達者なベースが一音を長ーくひっぱってグルーヴを生み出す感じ、俺好みのベーシストだな。動き回りうねりまくる低音。よしよし、いいぞいいぞ。 そんなキュアーぽくない演奏にもかかわらず、彼らの音楽から感じられる感触は、昔から聴いてきた音源のそれと全く変わらなかった。大きな憂いの闇に覆われながらも、その暗闇の中でほのかに差す光のようなあたたかさを湛えている。苗場の暗闇の下でロバスミの垢抜けない声を聴いていたら、なんだか気負いも力も疲れも抜けて、安心しきってしまった。久々に心から安らいだ。深くリラックスしながら、力を入れずに音に身を委ねて笑いながら踊った。 まさかキュアー観てうれしくてニコニコしてしまうとはなあ。 中盤、おっさん、おばさん、嬢ちゃん、兄ちゃん、外国人も、皆が両手を振りかざし合唱した、やたらダンサブルな「Friday I'm In Love」を聴きながら、ああなんて良い光景なんだ!もう今年のフジはこれで終わりで構わない!と思った。Just Like Heavenでまさに昇天した後はあんまり覚えてない。
ビールのがぶ飲みがまずかったか、途中でトイレに行きたくなってしまい、離脱。おれがこの世で一番好きな曲のひとつである「Boys Don't Cry」を聴けぬうちに退散。アンコールで、最後の最後に演ったらしい。まぁ仕方ないね。 トイレから戻ると、丁度苗場食堂でハンバート・ハンバートが演る時間になっていたので、そのまま苗場食堂へ。
humbert humbert
ハンバートは、いつも通りだった。いつも通りに良かった。いつも通りに、穏やかななかに潜めた狂気をチラつかせて、場を掌握していた。 「おいらの舟」でアカペラ大合唱になって、おしまい。ああ、いつも通りだ。このままずっといつも通りでいてくれれば何の問題もない、ハンバートってバンドは。

やっぱり風太さんもいらっしゃってましたよ>関西方面の方々 風太さんはフジロックをどう思っただろう?どう感じただろう? 遊穂さんは前日に用賀でハワイアン音頭を踊ってきたらしく、曲間で披露してくれてじつに可愛らしかった(しかし後に逢った友人はこれがいけ好かんかったと...)
Hifana
ハンバートの演奏中からブンバズビズバと低音を振りまいていたHIFANA。レッドマーキーを遠巻きに眺める。...だけのつもりが、 面白くてバンバン踊ってしまう。 ブレイクビーツは音色とタイミングが命。選び抜かれた絶妙の音色を、センス良いタイミングで鳴らせば万事OK。 MPCのパッドを叩いて音を出すというのは、想像してた以上にフィジカルで、"演奏してる"つう感じがすんね。 すっとこどっこいなギャグセンスも見事にファンクに昇華されてる。バッチリだ。 ひとしきり踊ったのち、苗場食堂に戻り、今年のフジの目当てのひとつであるイルリメへ。
illreme
さて、今年のフジ、最大のお目当てのひとつであるイルリメ@苗場食堂 開演が近づき客も集まり、満員のライブ会場のような状態。 後ろからはレッドマーキーからの4つ打ちの低音がボイーンボイーン。ステージには食堂に居座った呑んだくれ共がベロンベロン。 夏祭りそのもの。さぁ来い! アイ来たイルリメ登場。DJミキサーに繋いだCDウォークマンのスタートボタンをPUSHして流れてきたのはガンズのWelcome To The Jungle イルリメは玩具の刀を嘗め回し振り回しながら客をアジり、決めのフレーズだけ合唱ナナナナナナナニーッ(´ー`)ニーーーッ つかみは100点、この時点で客は総立ち&総笑いでキャッホキャッホ その後も他人のCDかけてラップするだけ×2連発、やら、客にMPC叩かせてセッションセッション、とか 本編ラストの「イルリメNo.5」では、CDかけたと思ったら即ダイブ。客に胴上げされながらステージに戻り、ステージ壊すんじゃないか という勢いで暴れ、木に登り、玩具の刀を振り回し、またダイブ。胴上げ。皆が笑っていた。こんなに皆が良い顔してるライブなんて......

おれが今まで観てきたなかで一番良いライブだったかというと、確実にそんなことはない。つうかヒドいよね。 でも、今まで観てきたなかで一番愉しいライブだった。 音楽ビジネスにおいて、こんなに真っ直ぐな「サービス精神」に触れたのは生まれて始めてだ。 サービス精神なんて言うと、ロックの世界とやらではあまり良い意味に使われていないかもしれない。でもイルリメの考えてるサービス精神はコビ売るとかそういうつまらんチマチマしたものでは全くなくって。 人を楽しませる心意気。自分の子供をみつめて童謡うたう母ちゃんと同じなんだ。それが、自分の子供じゃなくて沢山の客に向けられてる。そして確かな音楽でそれが赤の他人の客に届きまくっている。あまりにもまっすぐ、あまりにも邪念なく、あまりにもあまりにもすがすがしく、ひとつの事だけを目指している、楽しんでくれ、とにかく楽しんでくれ、楽しくて楽しくてこの瞬間が生きる意味そのものになってしまう位に楽しんでくれ!!! だって皆がそうなったら俺が楽しいねん!!!!!!!!!と。 そのサービス精神のなかにはロックが声高に叫んできたものが実は全部あるでしょ。シド・ビシャスとかそんなんも全部あるでしょ。つうかそれしかないでしょ。エンターテイメントはロック。エンターテイメントがロック。イルリメは今年のフジのなかで間違いなく一番にロックしていた。
ああ全然言葉が足りない、1/100も伝えられていない、あなたがあの場所に居れたら良かったのにね。 アンコールで演られた「トリミング」のサビがこれを書きながら頭をグルグル巡る。
見せておきたい景色がずっと募って 写真じゃ切り取り切れないから 話せば白々しくなるから 連れて行きたい気持ちになります
いい曲でしょう、いい歌詞だよね 気持ちこもってるよね 日本語のラップってここまでできるんだ もうリリック全部載せたる
だから それは 滅多に見せない仕草 絶対使わない言い草 一回だけちらつかせた きっと何時も隠して来た 「失敗したく無いから・・・」と指先で空に書いたけど 反対から読む私は、裏に希望有る証拠でしょ、と 喉まで出たから風に任せ あなたの片方の肩の臆病を弾こうと 揺さぶって突っついて押し出せば 落ち着いて此方には振り向かず気を取られ たらたらと道草を食いながら上向きで歩いていける さっきまで引きずっていた爪先が草を跨ぐ 赤く腫れた目蓋の中が青く晴れた空を見つめ 「泣いて無いです。」と、言ったから 緩んで潤んだ水面は最後の滴が静かに落ち 蒸気となって雲に交わる 常に胸に秘めていた 既に蓋を閉じていた 輪郭線だけの風景画 運命が自然と色を灯す 強気の瞬きが次々と景色のコマを進めていく
見せておきたい景色がずっと募って 写真じゃ切り取り切れないから 話せば白々しくなるから 連れて行きたい気持ちになります
直ぐにも影響受けやすくて 気付けばコロコロと変わって 一人で部屋で演じている 外では着れぬ服を着ている 些細な振る舞いから勝手に自分の潮時を読み取り 記憶に居られなくなって切られる前に逃げていく 転々と人の波を移り住む居候は外から新鮮な空気を与えるのは当然だが 年輪を増やそうとせず 落ち着かず、落ち着かせず 押したり引いたりを繰り返し 常に駈け引きを求める割りに 割の合わない年輪 大きな世話で付いて回る 恐る恐る腰を下ろす だけども支えている片腕 是で、是で最後かと 是で、是で最後かもと 脅しは体に告げている だけども支えている片腕を 見てられない人がいて 見慣れてた人がいて 見破っている人がいて 見送っている人がいる 囁き秘めると甘くなるから、だから成るべく吐き出して 何時しか感受の強さに耐えられなく成る前に
見せておきたい景色がずっと募って 写真じゃ切り取り切れないから 話せば白々しくなるから 連れて行きたい気持ちになります
嗚呼。
イルリメ終了後、仲間と合流。気付けば皆イルリメ観ていたのだった。 帰り際、一瞬だけパレスを覗くと、Cool Wise Men Feat. タンタンが! うーわーイイわー(;´Д`) しかしおれにはフジ恒例、駐車場でのこっそり焼肉大会があるのだった。これも大事。さらっと退散。 疲れた体にお肉は何故こんなに優しいのかよ 死ぬ程喰って、AM4時就眠。
初日終わり 暇があればどんどん続きます 俺に暇があらんことをヽ(´ー`)ノ
ダルマのハイボールを飲んで、おやすみなさい

|