かなしいうわさ
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こうの史代さん「夕凪の街 桜の国」が文化庁メディア芸術祭で大賞に http://plaza.bunka.go.jp/festival/sakuhin/sakuhin/manga01.html
ひとりでも多くの人に読んでほしい作品なので、受賞したことは本当に嬉しい。ベストには挙げていたんだけど、ここには感想書いていなかったのは、感想がすごーく書きにくかったからです。書いてみよう。
こうのさんの描く、ゆるやかでやわらかなストーリーや絵が、「ヒロシマ」という強烈な題材と交わったことで、より高い普遍性を獲得している。 原爆が落ちた後の凄惨な光景。描く手に震えがきて、躊躇しているのが判る。凄惨に描けていない。「はだしのゲン」での赤裸々な描かれ方とは全く違う。でも、その躊躇が、実際にヒロシマを体験していなくて想像するしかない俺に、「はだしのゲン」以上に凄惨さを想像させる。描ききれないことで伝わる事もあるんだな。 そして、最後近くで描かれている、見開きで桜の咲く街。その見開きの絵の素晴らしさ。凄惨な光景を凄惨に描けなかった思いが、その見開きに全て込められている気がする。その見開きは、ひとりでも多くの人に、ぜひ見て欲しい。俺は「ヒロシマ」や「戦争」が凄惨で「特別」なものとしてとらえてしまっていたけれど、そこには俺の普段の生活と変わらない日々があったんだ。
やっぱり上手く書けないな。 マンガ評論では一番信頼に足るみなもと太郎がオビに書いている推薦文をまるまる載せてしまおう。
実にマンガ界この十年の 最大の収穫だと思います。 これまで読んだ多くの戦争体験 (マンガに限らず)で、 どうしても掴めず 悩んでいたものが、 ようやく解きほぐせて きた思いです。 多くの意味でこの作品は、 多くの記録文学を 凌いでいます。 マンガ史にまた一つ、 宝石が増えました。 こうの史代さん、 ありがとう。
俺の知る限りでは全然話題になっていないけど、アマゾンで26件もカスタマーレビューがある。凄いよね。そこのひとつで知ったんだけど、カバーはずすと同人誌時代の切り絵のカバーが出てきますよ。
Bitty Mclearn and The Supersonics /On Bond Street KGN.JA. gingermanさんとこで見てからずーっと探していた一枚。やっとやっと買えた! 輝けるジャマイカ音楽史のなかでも個人的に一番好きな60年代後半のロックステディ期、そのなかでもダントツに歌心のあるトラックを作っていたのが、元スカタライツのトミー・マクック。彼が率いたTommy McCook & The Supersonicsの音を、質感を全く減じさせることなく見事なディレクションで再編集して「新たな曲」に仕立て直して、その上にシンガーが勝手に曲つけて歌っているというのがこの盤。その素晴らしいトラックの上で歌うのが、UKのラヴァーズ・シンガー、ビティ・マクレーン。知らん。でもこいつが又良い歌うたうんだよね。若きデニス・ブラウンを彷彿とさせる、ハイトーンの超美声。レゲエを聴いている人なら、うはぁこの曲はJoya Landisのド名曲「Moonlight lover」っ!で、この曲がこんなんなって、その上こんな歌が乗るんかい!ぐああああああぁっ、と、一曲ごとに悶えることができるよ。なんだか今までたくさんの時間や手間や金を使ってレゲエを聴いてきたことへのジャーからのご褒美なのではないか、なんて、俺が「この世で一番好きな曲」のうちの一曲である「Real Cool」オケの曲を聴いて悶え死にそうになりながら思った。 もちろん、レゲエ愛好家以外にも大いにおすすめしたい。別にトラック知らなくたって全く関係なく、名演・名唱だ。アッシャーとかRケリーと同じ感覚で、最上級のR&Bとして聴いて。 ...ただ、このアルバムは外資系レコ店をはじめ、ある程度レゲエを扱っているようなダンスミュージック系レコ店でも殆ど見かけないんだよな。0152とかで取り扱ったら爆裂的に売れるのに、勿体ない! 最寄りのレゲエ専門店か、通販でどうぞ。
で。 気に入ったら、オケの元ネタであるこれも是非。 Tommy Mccook & The Supersonics /Down on Bond Street 俺がこの世で一番好きな一枚(のうちのひとつ)。もう、収録されている一音一音がいとおしい。これを聴くと、マイスティースをはじめとする最近のオーセンティック・スカバンドの演奏はまっだまだだよなーと思ってしまう。(まぁ、あれはあれで味があって良いんだけども。)アマゾン品切れになっているけど、外資系レコ屋とかでもまだ入手可能な筈。
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