思い知ればぃぃんだ。


狭くて両腕すら満足に伸ばせない狭い個室で

ぼろぼろ泣く

とめどなく零れる涙を大きな親指で何度も拭っては繰り返した




「なんで俺、が、好きにならなかったんだろう」




バカね、なんて笑っても

たぶん説得力もなんにもなくって

だって口だけでだってもぉ、大丈夫だから、なんて言えなくて

ただ泣くばっかりで

へたりこんで座ったまま泣くだけで

メイクだってたぶん涙でぐちゃぐちゃで

だけどそんなのもどぉだって良くなってて


「大丈夫だよ、大丈夫だよ」


繰り返される言葉に

うん、頷くことすら出来なかった


弱さをみせすぎたのかもしれないね


突然

抱きしめられて

思わず押しのけようとした腕は自由が利かなくて




「俺、最低だな」




ぽつり言うから




「・・・そんなことないよ、」




返して背中をそっと撫ぜたんだ






たったそれだけのことだったけど

だけど誰にも言えなかった


抱きしめられたときに感じた嫌悪感は一体なんだったのか

それすら今もわからない

ただ出来るなら

もぉ忘れたいことだったんだ


あたしはやっぱり真っ黒なんだよ

2007年01月13日(土)

魔法がとけるまで。 / ちぃ。

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