Endless SHOCK@博多座

2022年09月06日(火)
秋の博多座、ライバル役は北山くんと発表されたのが2月
まさかという驚きと同時に
これを観るまで死ねないと心に誓った。

さまざまな公演が中止になる情勢は変わっておらず
しかし昨夜、無事に幕が開いたということには胸をなでおろした。
一方でネタバレをガマンし、一方で天気予報を見続けた。
台風11号が6日朝に九州に最接近
早朝の便はすでに欠航が決まっていた。

11時前に飛び立つころには、九州の雨は止んでいたけれど
風は強そう。無事に降り立てるよう祈るばかり。
JAL機内は快適で、玉森くんのドラマ関連動画見たりして
機長アナウンスも不安のない様子だったからくつろいでた。
結果、風の影響か定刻よりも早く着いて、揺れもほとんどなく
文句なしのNiceflightで福岡へ到着。

博多のいいとこは、空港から街が近いところ。
到着すぐ地下鉄乗って、数駅でホテル最寄りまで。快適。
通りには街路樹の枝が散らばっていて、台風一過の景色
だけど着いちゃえばもうこっちのもんだから。

おしゃれカフェでご飯たべてホテルで一息ついてから博多座。
大きなデジタルサイネージと、階段の装飾がSHOCK仕様
写真撮りまくれる。
2階席についてみると、帝劇より近く感じる
既にオケピでの音出しが始まっていて
うわあこの感じこの感じ!とゾワゾワがせり上がってくる。

※めちゃくちゃ長い上に本編のネタバレ全部あります

定刻に演奏から始まるとビジョンに
出演者の名前が次々に流れ大きな拍手が鳴る
タイトルロゴが輝き、より一層拍手が鳴ったと同時に開幕
まず冒頭から煌びやか全開フルメンバーで歌って降りてくる
壮大なエンタメから幕開けてくれるのが最高!!!

あのSHOCKカンパニーの中に、北山くんが存在している…!
コウイチ、コシオカ、マツザキお馴染みの並びにヒロミツ!
青いキラキラしたジャケット着て
ちょっと重心低めな特徴的な北山くんの動き
しなかや安定している越松とは少し違う重心なんだけど
いつもと違うクラシックなダンスをするヒロミツを見ただけで
胸が熱くなる。
コウイチのフライング、本当に飛んでいるかのような軽やかさ
2階から見ると弧を描いて舞う姿が本当に天使のよう。
友だちともいつも言う、コウイチは魔法が使える。

オフブロードウェイの千秋楽のシーン
大勢でわいわいしてて大好きな場面
ヒロミツのソロパート
第一声から、いつもの歌声との違いがよく出ていて驚いた
今までにもミュージカルでの歌唱は観てきたけれどそれとも違う。
声の伸びと、歌詞の聴き取りやすさ、周囲との調和。
リカへの告白が空振りするシーンはコミカル全開
なんだろう、このヒロミツは、
今までもずっとリカに振られてきている感じがする、、

屋上のシーンも好き。
コウイチたちは、夢見る20代の若者、と伝わる青春のひと幕
あの星に手を伸ばし、という歌詞の瞬間、
客席の天井まで点々と照明が瞬いて、星空のようになる。素敵!!
星空に、ほーっと見とれていると、屋上から降りてきたマツザキたち
「ねえオレの靴になんかついてない?」
とローラーで滑り去るヒロミツ
ピンと背中が伸びた姿勢で、ツーーって。笑うわこんなの。

休日の街のシーン
リカへ告白をやり直すためにライバルが変な一張羅を着てくる場面
ヒロミツの衣装は白地に赤いハートがたくさん描いてあるスーツ
ネクタイも赤。メンバーカラーに合わせてるのかな
花束、指輪を渡すのに失敗する姿もコミカル
何度もフラれているような安定感というか
仲間内のいつものやりとりのような可笑しさがあった。
マツザキとシハハの動きしたり、じゃれててかわいかったな。

ブロードウェイの大劇場の誘いの話が上がる
コウイチの意見に反発したヒロミツが
リカにむかって「おまえは黙ってろ!」と怒鳴る。
ここで空気がビシッと変わる、、急な緊張感。
さっきまで和やかだったのに

チームUSAのみなさんのダンスから、場面は大劇場のシーンへ
ここもエンターテインメントショー満開でかっこいい
ライバルのソロ曲、なんていうタイトルなんだろう
バキバキの激しい曲でヒロミツに合う!ああ最高。
そしてsolitary
この曲もセクシーでかっこいい
しかし例のアクシデントが起こる曲
ライバルに感情移入していると、
この曲の完ぺきなかっこよさも逆に切なくすら感じてしまう。

楽屋シーンからはヒロミツの感情が噴き出す
コウイチの目指す高みもわかるし
当日でも変更をするからミスが生まれるんだろと
つっかかるヒロミツの言い分もわかる。
冷静でいたいと思いながらも
つい感情的になってしまう、ヒロミツの表す葛藤が伝わる

一幕クライマックスのJapanesque
合戦の立ち回り、激しくてかっこいい
大階段が現れるといよいよ、「その時」に身構えてしまう
階段の頂上でコウイチと迫るヒロミツの手から刀がすり抜ける
大袈裟に挑発するような表情ではなくて
どうする?とコウイチの出方を静かにうかがう目線
冷ややかにも熱くも取れる眼差しにゾクゾクする
ハラから受け取った刀を手に、それと気付くコウイチ
それでもShow Must Go Onを捨てず、続けろと叫ぶコウイチの狂気
そして階段落ち、一幕終わりへと、、
もうね、鬼気迫るって言ったらカンタンに感じてしまうけど
やめてくれと動揺するヒロミツ、コウイチの迫真
コウイチが階段を落ちてから刀を拾い上げ驚愕するハラ
怯えるリカ、全てが最悪の事態すぎて、ここで幕降りる???
初見のとき絶望して開いた口が塞がらなかった。
なぜこんなことになってしまったの?!??

二幕、雨の音から始まる
入院中のコウイチへの懺悔のようなヒロミツのモノローグ
Dead or Aliveからシェイクスピアのシーン
亡霊のようなコウイチに怯え苦しむヒロミツ
ここのコウイチの叫びは、光一くんの声と思えない太さと迫力
人を手にかけた後悔にさいなまれる北山くんは
ここ数年なにか見慣れていたようにさえ考えていたけど
ヒロミツの顔は、そんなつもりじゃなかった、という
より大きな後悔と、コウイチを失うことに怯えていたように見えた。
コウイチと過ごした幼少期からの記憶も行き交い
違うんだよ、やめて、と子どものように怯える姿
コウイチが眠る一年の間、ずっと後悔していたんだろうか。

コウイチが再びカンパニーのみんなの前に現れ
ヒロミツのショーに乱入するHigher
まあこの明るさとかっこよさも、対比で切ないんだ
続々とコウイチたちに仲間が加わり
その中にひとりだけ入れず、壁にもたれ項垂れるヒロミツ
マツザキまでニコニコしちゃってさあ、
マツザキはヒロミツ側にいてくれるんじゃなかったの??ねえ!
と憤る私の気持ちは無視してめちゃくちゃかっこいいHigher

楽屋のシーンは再び衝突
みんなを前に、一年前に刀を本物にすり替えたのは自分だ
と告白するヒロミツ。
ここハラも切ないんだよな。ハラだって苦しんだ一年。
ショーを止めなかったコウイチを責めるヒロミツ
苦しいそれゆえ、もう終わりにしたいと
オレを刺してくれとリカに懇願するヒロミツ
リカはコウイチを刺し、まったく動じないコウイチ
ここでコウイチが亡霊であると全員に示されるんだけど
一番うろたえるのはヒロミツ
嘘だろ!とカンパニーの面々に詰め寄るも誰も何も言えない
オーナー!嘘だよね?なんとか言ってよ、
とここでも子どものような台詞をつぶやくところが胸に迫る
ずっとライバルだったということは、ずっと傍にいたということ
追い付けなかった悔しさも、恨み言も、傍にいたから言えた
コウイチを失う痛みを、一番感じていたのはヒロミツなんだ。

泣き崩れるヒロミツにリカが逃げないでと励まし
コウイチも自分の死を受け入れた様子で
ヒロミツはショーを続ける強い心を持っている、
もう自分を殻に閉じ込めるのはよせ、とヒロミツに優しく言う。
ここでヒロミツが本当に吹っ切れた感じがして
最後にもう一度、一緒にステージに立ちたいと手を握る。

そして最後のショーへ
ここから怒涛のフライング、歌、ダンス、太鼓、イリュージョン
まず赤布のフライング
コウイチは魔法使い、としか言いようのない舞い方。大拍手
ヒロミツが登場してダンスしてからの和太鼓パフォーマンス
歌舞伎でも太鼓やってたけど、これまた激しい
コウイチとクロスしながらスピードを上げて叩く迫力たるや
成功して、コウイチに笑顔で肩組まれたときの表情
ここだけ先輩後輩の関係性が垣間見えてうれしくなった。

梯子のフライング
客席上空の時間が長いからか、コウイチはマスクをしてる
2階に降り立つ演出はなくなってたけど(初見のとき驚きすぎた)
今年も2階だったからすごく近くて
あんなに呼吸が荒いのにマスクまでしてなんて大変なんだろう
苦しそうなのに、あまりにも美しいコウイチの軌跡

和装でのヒロミツとリカの舞もきれいだった
日舞のお稽古してるってよく書いてたのはこれのためだったのかな
リカは和装もドレスもどれも可憐で本当に素晴らしい。

次のコウイチは傘フライング、そして夜の海
怒涛すぎる。休む間もないハードパフォーマンスばっかり
夜の海は、コウイチが文字通り命を燃やして消えていくように見えて
本当に切なかった。
みんながひとことずつ台詞を言って立ち止まっている中
コウイチだけが踊り、そして散っていく。美しく。

走り続ける背中を見せることがみんなのためだと思っていた
違っていたのかもしれない
みんながいたから俺は走り続けることができたんだ
というコウイチの台詞が爽やか
あまりに切なく悲しい終わりのあとなのに
ここからのフィナーレが明るくなっていく
CONTINUE
ずっと続くと歌いながら、劇中の様々な歌を繋ぐ演出も
エピローグであり、これからの続きを思わせてくれる。
カーテンコールも、本当に華やかで
北山くんに大きな拍手を送れることがうれしかった
博多座公演からの新メンバーとして
オーナーの島田さんと、ライバルの北山くんが紹介された
明日は初めての昼夜2公演だぞ、地獄を見よう、と光一くん
え、地獄ですか?とはにかむ北山くん
スタオベで幕が下りる
笑顔で手を振るメンバーも多い中
北山くんはお手振りなしで、わずかに微笑んでいた。
まだ開幕2日目、気を引き締めているのかもしれない。

ああ本当に北山くん演じるライバルを観ることができた
記憶の中のどの北山くん像とも違っていたヒロミツ
まだまだ知らない顔を見せてくる底知れなさに驚いた
これから一か月、もっと進化していくんだろうと思うともはや怖い。

幕が上がる瞬間まで安心できない、と思ってた
幕が下りてやっとホッとした部分もあって
またキャストが大勢揃った最高のエンタテインメントを浴びて
胸がいっぱいになった。生き返った心地がした。心底。

ふわふわしたまま歩いて、友だちと居酒屋に入って
しっぽりカウンターで、おでん食べて、うどんで〆た。
博多の夜は、少し涼しくて。秋の入り口になっていた。



前の日 もくじ 次の日 pd / mail / MY+ / A+

Design : maybe / Illustration : ふわふわ。り