新知庵亭日乗
荷風翁に倣い日々の想いを正直に・・・

2005年12月07日(水) 胴元と職人達の黄昏

 あの阪神大震災のすぐ後僕は三宮にいた、友人の某大手建設会社の社員と本町、長田区、三宮と歩いた、雪混じりで寒かった。
 僕は質問した「何故倒れたビルと倒れなかったビルに新旧関係ないのか?」と「崩壊したビルの柱から棒状の鉄骨が飴のように曲がって露出してるやろ、その本数の問題やねん」そービルの新旧の問題ではなく明らかに柱お支える鉄骨の量と太さが違うのだ、古いビルでも崩壊してないのがある、かなり新くても・・・恐ろしいのはビルが一階から平行移動して二階上が隣にあるというのを見た・・・。
 要するにこの業界はコストを下げるため手抜きをしていたのだ、行政も全てチェック出来る訳はなく、又建築業界は自民党土建族に多額の献金をして道路交通省からの天下りを受け入れ、はたまた公共事業の便宜も受けていた。

 胴元が設計建設会社か職人が現場の技術者であったならば、事務方の言う「コストを下げろ!」と大工さんが言う「良い材料で300年はもたす、あんたはやらねー!」との闘いだろう、しかし今はそれが逆転して技術者が胴元に「何ぼでも下げまっせー」という時代になった。
 すでに日本崩壊は始まっていたのだ、技術者のエートスというものが死滅しつつある、このことは他の分野にも広く浸透していると断言したい。





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