新知庵亭日乗
荷風翁に倣い日々の想いを正直に・・・

2003年08月01日(金) 風の盆淡い恋

Shinchanは石川さゆりさんの「風の盆恋唄」が好きです、仕事でご一緒した時には(天城越えの小鼓を打つ)何時もうっとり聞いています、時に涙もでます又同僚である日本音楽集団の琵琶奏者Tさんにはカラオケで必ずこの唄をリクエストして歌ってもらいます。何故か何時も泣けるのです。
 いやいやここでは唄の事ではなく、越中おわら風の盆での淡い想いでを描きたいのです。







僕はこの風の盆(9月1日〜3日まで行われる)をお祭りとは言いたくないのです、静寂な夜中に静かに流れる三味線、胡弓と唄、そしてどこか佐渡おけさを思い起こさせる踊り、正に先祖の霊と一緒に踊り、そして魂流し(魂上げ)が行われる盆踊りの素晴らしい原点のような行事だと思います。
 山形県の鶴岡市で天神祭の音を復活させる仕事をしましたが、ここで女性が被る笠も佐渡おけさ、風の盆と良く似ているのです。
鶴岡天神祭のページ
http://homepage3.nifty.com/river_stoon/file15.htm

筑波大学付属盲学校でご一緒の吉澤先生が「瞽女とおわら風の盆」というページを作られています。
http://members.jcom.home.ne.jp/wj2m-nrmt/page2.htm

 

風の盆

   思い染川 渡らぬさきに
    浅さ深さを オラワ 知らせたや
   あいや可愛いや いつ来てみても
    襷なげやる オラワ 暇がない
   襷なげやる 暇あるけれど
    あなた忘れる オラワ 暇がない
   謡て通るに なぜ出て逢わぬ
    親の前では オラワ 籠の鳥
   おとこ女も 皆出て歌へ
    月も出てゐる オラワ 盆おどり
   花や紅葉は 季節で色む
    わたしゃ常盤の オラワ 松の色

風の盆は一人で行くべきだ、団体旅行などもってのほかだ!僕は偶然、仕事の関係で富山に行き、ふと八尾町に寄ってみたのだ、それは千秋楽の日、宿のおかみさんに夜中からが私達のための盆ですと言われ、出かけてみた。


未婚の女性のみ踊れるというしきたり、それよりも美しいと思ったのは、胡弓を静かに弾くある女性、音から来るのだろうか、か細い感じの中に凛とした強さがあった。美しい、彼女と会いたい、一緒に演奏したい・・・。
 今で言うところのストーカーになって彼女を追いましたが、本当に朝靄の中に精霊のように消えてしまいました、あれは夢だったのでしょうか、淡い突然の恋心は能の幽玄のように・・・僕の心は追い続けています。
 
では最後に石川さゆりの「風の盆恋歌」をどうぞ
http://tricolored.hp.infoseek.co.jp/kazenobon-koi-uta.htm


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