2002年10月17日(木) |
INTERMEZZO.No3 |
それは、それは暑い日です、Shinchanのお家の周りから蝉の音が聞こえています、Shinchanのお父さんは朝からうろちょろ、バタバタしています、襖の向こうからはお母さんが沢山汗をかいて、ウーンウーンと唸っている声が聞こえます。 「しっかりしゃんせ、おまはん」 「今度はうまいこと生まれてくれるやろか?」 Shinchanのお母さんのお母さん、お祖母さんが鹿児島から、お産を手伝うためにShinchanのお家にいるのです。 「心配なかとよ、こんどん子はお天道様の授かりでごはんど。」
胎蔵界曼荼羅 天鼓雷音如来 Shinchanには本当はお兄さんがいたのです、でも生まれてすぐ死んでしまいました。なのでお父さんもお母さんも心配で心配でしかたありませんでした、お母さんは大きなお寺や神社に何度も行って・・・神様、仏様、今度生まれてくる子も命が儚かったらウチを身代わりにして生かしてやって下さいませ・・・とお祈りしました。 お父さんは色々な本を買ってきて、お産について勉強しました、でも大きな病院が遠っかったので、知り合いの助産婦のお婆さんにお願いしました。
Shinchanは空を飛ぶ卵から見ました、それは大好きなお父さんとお母さんが裸かんぼーになって一緒に寝ているのです、・・・はやくお家に帰えろー・・・急に細いトンネルにおっこちました、スーと落ちていきました。
お星様がたくさん輝いています、お母さんは子供の時阿蘇山に遊びに行きました、今にも落ちてきそうなお星様を手を伸ばして取ろうとしました、すると金色の光の玉が現れて、目が眩みました。 ・・・あー今度の子が来た・・・ お母さんは夢を見ていたのです。
「まー玉のような男の子」「んまーこげな可愛いかことー」 お父さんは赤ちゃんの泣き声を聞いて涙がポロポロ出ました。
Shinchanはその時、雷さんの音を聞いていました・・・そして・・・「Shinどん・・・Shinどん・・・」という懐かしい声がしました。
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