新知庵亭日乗
荷風翁に倣い日々の想いを正直に・・・

2002年09月18日(水) ぽんぽん菓子





ボーン!! わーとShinchanと犬のペスは他の子供達の中から耳を塞いで走って逃げ出します。
 近所の白いお髭をはやしたお爺さんは「戦争の大砲の音はあんなもんやないで、お腹がぶるぶる震えるんやから」と言います。
 ある日Shinchanはお母さんからお金とお米を持って近くの小さな公園に行きました。大勢子供達が集まり、ガヤガヤ言って並んでいます。
 Shinchanの番が来ました、でもある子がShinchanを後ろに無理やり押し戻しました。
 なんやら煙の出ている機械の前で前掛けしたおじさんが「はい、ここまで、あとの子は待っててや」
 Shinchanはこういう時に喋れなくなってしまうのです。何時も早く並んでも、最後の方になります。ペスがワンワン言ってくれるのですが、誰にも解りません。 すると時々見る、怖そうな身体の大きいガキ大将が「Shinchanお金とお米変わりに渡したるわ」と言って自分より前にShinchanを押し出しておじさんにお話をしてくれました。
 
 Shinchanはこんなに近く機械の前に立ったことがありません。
「さーそろそろやでー」と言って、おじさんは網で出来た大きな筒を機械につけました。「そら、いくでー」ドカーン!!!
 Shinchanはお腹がぶるぶる震えました、そしてペスと一緒に走って逃げました、そしてお家に帰って又お絵描きを始めました。
 現代のポンポン菓子屋







 
 お買い物からお母さんが帰ってきました。「Shinchan!ポンポン一人で食べたん?」「・・・」「どっかに落としたん?」
そして訳を話せないShinchanはお母さんに叱られました、お父さんが帰ってきてからもう一度叱られました。
「お金をそまつにしたらあかん!」
「・・・」
 
晩ご飯もShinchanは食べる事が出来ませんでした、レオポン君とキリンさんと一緒にすぐ寝ました。
 
 近所の子供達が美味しそうにポンポン菓子を食べています、皆んな笑っています

「Shinchanはポンポンにすぐ絵の具塗るからあかん!」
「お手てがいつも色ついてて汚いねん」
「そいで何時も犬に吠えさせてんねん」
「○○のShinchan喋られへん、喋られへん、わーい」
気がつくと何時もShinchanとペスは二人きりでした、そして一緒に泣きました。

クーンクーン・クンクン
・・・なんやまだペス泣いてんのー・・・Shinchanはもう泣いてへんのに・・・
 お客さんが来たようです。「Shinchan起きなさい、雄太君がポンポン持ってきてくれたよー」
「Shinchanの家凄く探したんやから・・・そいでたばこ屋のおっちゃんに聞いたら○○のShinchanちはって言いよったからShinchanは○○やないでー僕には喋ってるんやからなーって言うたってん」
 「あーとうウー太君」
「ほら!やっぱり言えるやん、おじさんおばさんい!じめる奴がおったら僕が助けたるよってなーShinchan」
「おーきに雄ぼう」「又遊んだってヤー」「気をつけて帰ってネー」

その時ずーとペスはクンクン鳴き続けていました。


 < 過去  INDEX  未来 >


Shinchandazo [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加