新知庵亭日乗
荷風翁に倣い日々の想いを正直に・・・

2002年09月16日(月) 蝶々になったんや





Shinchanは幼稚園に1年遅れて入園しました、お父さんが色々考えたり、相談した結果お父さんの勤める小学校から近い所の[健康幼稚園]に決まりました。
 でもShinchanの足では1時間ぐらいかかります、引率の太ったおばさんが5人の幼稚園児を連れてチーチーパッパと通うのです。
 
その通い道には田んぼや畑があり、季節には菜の花、向日葵、蓮華、タンポポが咲きます。おばさんを困らせたのはShinchanが蝶々を追っかけていって、何所に行ったか解らなくなるのです。他の友達はそのたびに「ほっといてはよ行こ!」
と言うのです、だからずーと仲間外れでした。
 「Shinchan!おばさんと縄跳びしながら行こうか」「・・・・」
本当はワンちゃんみたいに首輪に紐をつけてShinchanを引っ張って行きたかったのです。そして夏が近づくと田んぼにおたまじゃくしを取りに靴を履いたままドブン!ピシャピシャと入っていくのです。
 「Shinchanおたまじゃくしさんは沢山友達と一緒に泳いでるねー、そやからShinchanも真似っこしたら?」とおばさんも田んぼに入って言うのです。

この「健康幼稚園」は真冬でもランニングにパンツ、教室の中は裸足と決まっていましたShinchanは好きでしたが、嫌いなものがありました、それは朝幼稚園に着くと青汁を飲まなくてはいけないのです、「Shinchanまたペッペしたんやって?Shinchanが好きな紋白蝶は子供のときから青汁のんで羽がはえるんヨ」








「そんならShinc・・も蝶々しゃん・・・飛べ・?」
おばさんはShinchanの言うことがよく解りました、「Shinchanはね今に遠い遠い外国まで飛んでいくよ、きっと・・ね」

 
 ある時の朝、おばさんのかわりにどっかで見たことのあるお爺さんが来ました。
「あのなー、おばちゃんなー、遠い高い高いお空へ飛んでいかはったんや・・・」
「蝶々になったんやー」
「おーShin坊、ちゃんと言えたやないか・・・そーや蝶々になりはったんや・・・」「そやからな・・・かってにな・・・蝶々、捕まえに行ったら・・あかんのや・・・」そのお爺さんは園長先生だったのです。

 園長せんせは何故か泣いていました、でもShinchanはすごく嬉しかったのです。

 空に雲一つない暖かい季節にお花に止まっている蝶々さんがいました。近づいても逃げません・・・「おばちゃん元気?」・・・「又縄跳びしょー」
すると蝶々はShinchanの頭に飛んできて止まりました。


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