その日に書こうと思っていたのに、ミーティングの準備に終われて二日も経ってしまった。
で、また対外ネットワークがダウン。最近多いなあ。営利企業だったらすでに見放されていそうだ。
それで入学式だった。朝、ギリギリに行ったら本当にぎりぎりに着いた。場所は大井町だったのだが、新宿からりんかい線直通の埼京線が出ていなかったらアウトだった。ちなみにこのりんかい線、経営はかなり危ないらしい。それなりに客が乗っているのに減価償却費がつらいって、それは計画からして間違っていたのではないだろうか。
入学式の会場は、品川区のきゅりあんとかいうホールだった。品川区立総合区民会館、らしい。このホール、入り口が設計ミスとしか思えなかった。収容人数は1000人程度らしいのだが、そこまで行くのに、15人程度しか乗れないエレベータが2基しかなかったのだ。僕は遅れて行ったので巻き込まれなかったが、それまでは大混雑だったらしい。まあ、お役所仕事なんてのはそんなものだろうか。
会場に着いたら着いたで、一般客の席が全然足りず、中に入れなかった。それだけなら仕方がないと言えば済むのかもしれないが、なんと、逆に新入生の席はガラガラだったのだ。結構いい加減なものだ。仕方なく、一般の人を新入生の席に座らせていた。ちなみに大学院生は学部生の後ろの方だった。なんだか後ろに追いやられたような気分になった。実際、入学式の式辞などの内容も学部生が中心で、若干追いやられた印象を受けた。まあ、数が少ないのだから仕方がないが。それに、学部生より重要度が低いイベントではある。
入学式の中身で気になったのは、国歌だ。卒業式のときは国歌演奏があったのだが、入学式ではなかった。これは言ったいどうしたことなのだろう。事情はよく分からないが、ここまでの手際の悪さを考え、あえて僕はこう言いたい。きっと、これは国家を入れるのを忘れてしまったのだと。高校までだったら責任者が処分されてしまうところだ。歌を歌わないと処分だなんて、日本は怖い国だ。
学長の話は、卒業式と大差なかった。友人は、「卒業式と同じ話じゃないか。」なんて言っていたが、こんな短期間に主張が変わってしまう方がよほど困る。学生に言いたいことなんて、1週間や2週間では、それほど変わらないはずだ。ちょっと気になった点がいくつか…。メモを取っていたのは、まじめに聞いていたと言うべきか、話も聞かずに日記のネタを取っておいたのか…。それで、大学生になったら、遊ぶのではなくて勉強してほしいと言っていた。これはまあ、もっともなことだ。だが、その一方で、特性や個性を持った人になってほしいとも言っていた。これは少々矛盾がある。勉強と言うのは、世の中にある既知のものを学ぶことだ。それだけでは、特性や個性などは期待できないのではないだろうか。ほかの人が見ないものを見て、ほかの人がしないことをして、初めて特性や個性というものが得られるのではないだろうか。それから、図書館でさまざまな本を読んで、知識を身につけてほしいと言っていた。で、文芸作品をいろいろ読んでほしいと言っていた。しかし、大学に文芸作品なんてほとんどない。大学生にもなって、日本の著名な作家の本すら読んでいないことに気づいて、いろいろ読んでみようと思ったことがあるのだが、全然置いていなかった。日本文芸全集みたいなシリーズ本があるくらいだった。統合なんてしたものだから、僕がいる方のキャンパスについてはほとんど事情を知らないのではないかと思ってしまった。それから気になったことが、大学でできた友達は、将来きっと役に立つ、と言っていたこと。社会での人脈だったらともかく、大学の友達に向かって役に立つとか立たないとか、そういう考え方はしたくないと思った。しかし、これは実際に社会人として、大学生の頃の友人が役に立ったから言っているのだろう。…ああ、なんだかボーっとする。研究室のミーティングが終わって、難題が片付いたからだろうか。少し集中していかないといけないな。
というわけで、少し散歩してきた。そしたら次の講義のある時間が過ぎてしまった。まあ、いいだろう。もともとあまり興味のない講義だし。それで、他に気になったことが、僕が所属している専攻の扱いについて。学長の話を聞いていた限りでは何とも思わなかったのだが、そのあとの来賓挨拶などを聞いても、僕が所属している専攻についての話が全然なかった。基本的に海についてやっている大学なのだが、僕が所属しているのはロジスティクスという、あまり関係のなさそうなことを扱っている専攻なのだ。ちなみにロジスティクスとは何か、と言い出すときわめて難しいことになる。logisticsと言うと、一般的には兵站学を指す。まあ、今の社会一般では、僕らが所属しているロジスティクスを指すかもしれないが、とにかく辞書には兵站学と載っている。戦線に配置された兵士に、どう補給物資を運ぶか、などをテーマとした学問だ。ここから、流通分野を中心に、製品をどう輸送するか、なんてことを考えるのがロジスティクスだったりするのだが…。とにかく、そのロジスティクスの話がまったくなく、海の話ばかりだった。では、何のためにこの学科や専攻があるのだろう。そこでふと思ったことが、もしや、彼らは手段と目的を取り違えているのではないだろうかということ。大学の機関紙に、このロジスティクスの主任に当たる先生の意見が載っていたのだが、そこには「輸出入の大半が海上輸送に依存している…」と言ったくだりがあった。実際にロジスティクスを研究している先生方は別として、そうでない人たちは、海のためにこの分野を設けたのではないかと考えてしまうのだ。そもそもこの大学にロジスティクスがあるのは、海運の活路を見出すためではないのかと考えてしまうわけだ。さらに言えば、本来はロジスティクスにおいて手段のひとつにしか過ぎないはずの海運なのだが、その海運を活かすために、ロジスティクスという専攻を作ったのではないかと思うのだ。そうであれば創設の動機が説明できるが、これでは本末転倒だ。
あとはまあ、新入生代表の動きにメリハリがなくて姿勢が悪かったことが気になった。それから、副学長の話で「あらゆる活動に積極的に参加してほしい」という話があったが、そんなにいろいろやっていたら、どれも中途半端になるだけではないかと思った。大学というのは、どちらかと言えば一つのことを徹底的に突き詰める場所のはずだ。
入学式のあとは、場所を移して新入生向けのオリエンテーションがあった。しかし、これがまたひどく手際が悪かった。ただ、そういう機会でもないとなかなか友達と話す機会なんてないので、たまにはそういうのもいいかな、と思えた。それにしても、学生証交付の話を15分ほどして、そのあと45分も待機なんてひどすぎるとは思ったが。学生証の交付だけで1時間もかかるなんて、本気で思っていたのだろうか。
肝心の話の内容だが、大学院で必要な卒業単位は30単位らしい。聞いてはいたが、本当に少ない…。まあ、卒業単位だけではなく、卒業試験というのもあるらしいが。ただ、こちらについてはあまり聞かないので、それほど難しくはないのかもしれない。ちなみに、修論を書くだけで12単位もらえるので、実際に必要な単位は18単位だ。大学院の講義、演習、実験はすべて2単位なので、9つの講義を取ればいいわけだ。さらに噂によると、演習科目は何もしなくても単位をもらえるという話だ。なんともいい加減なことだが。
そんなものかな…。他にも奨学金の話がいい加減だったり、いろいろあったが面倒になってきた。