昨日は君津に宿泊したのだが、 すべてはこの五月六日に仕事をするためである。
朝起きて、ホテルの食事をとった。 ホテルで食事ができるなら、なぜ昨日はジョナサンで夕食を食べたのかと、 記憶の関連付けが得意な人なら思うかもしれない。 が、このホテルは朝食は出ても夕食は出ないのだ。 ビジネスホテルというのはそうしたものかもしれない。
ビジネスホテルというのは、 なかなか興味深い構造をしている。 いっしょに仕事をした人が言うには 「部屋に帰ったら何もしないでとっとと寝ろ、ってことか。」 というような構造である。 個人差はあるだろうが、並みの人間であれば息が詰まることだろう。 ただ、さすがに某先輩宅の部屋よりは広い。 某先輩宅は、二人で3時間くらいその部屋にいると、 酸素不足を感じる程度の広さである。 ファジィな表現を用いるのなら「きわめて狭い」と表現するのがふさわしい。 両手を広げてその場で一回転することは不可能である。 45度の回転でも厳しい。 60度の回転はおそらく不可能であろう。 ちなみに、狭いのは多くの資源がひとつの部屋に集中しているためである。 部屋そのものは常識的な広さのはずである。
ただ、それは予想できたことである。 企業戦士であるサラリーマンの宿泊施設として整備されたビジネスホテルは、 要するに歯車の保管倉庫である。 品質の劣化を最低限に食い止めることさえできれば良いのだ。 ちなみに、その品質の劣化を最低限に食い止める、 ということすら難しい保管施設を、僕はカプセルホテルと呼ぶのだと認識している。 一度この身で体験してみたいと思っているが。
かなり低く評価しているように書いているが、 実際はそんなに悪くなかった。 文章で書こうとすると評価できる点が見当たらないだけだ。 まず第一に清潔であるし、 ベッドはあるし、バスとトイレも、ユニットバスが一応ある。 かなり微に入って書いてきたのでこれ以上詳しく書かないが、 ユニットバスの狭さも筆舌に尽くしがたいものがあった。 あらゆる行動は、肩をすくめなければできないのである。
ただ驚いたのは、 必要最低限プラスアルファの設備しかないこのホテルに、 アダルト番組の装備があったことだ。 料金がまた驚きの価格で、一時間見るのに1000円かかるのである。 しかも、ひっそりと存在するならともかく、 テレビの上に大きなパンフレットが二冊も、 見えるようにアクリルの板で支えられて置いてあったのだ。 これを見て不愉快に感じる人間がいる、ということを考えたりはしないのだろうか。 宿泊客もそうだが、 従業員から苦情が出ないとかと思ってしまう。
ちなみに、アダルト以外のテレビ番組は無料で見られる。 前に泊まったホテルはすべての番組を見るのにお金が必要だったので、 これには少し驚いた。 たまたまNHKで興味深い番組をやっていたので、 ずっとそれを見ていた。 そのおかげで七日、大学に遅刻したということは秘密である。 「ジダンの来た道」というNHKスペシャルは、 衛星と総合で一回ずつ、計二回見たのだが、 なかなか飽きの来ない作りになっていると感心させられてしまった。 さすがにNHKの番組は良くできている。 「スペシャル」が本当にスペシャルと言うにふさわしいのはNHKだけだろう。
それで、仕事先にはタクシーで向かった。 タクシーである。 走れば走るほど、走らなくても時間がたてばそれだけ、 どんどん運賃が加算されていく、あの恐怖のタクシーである。 余談だが、君津のタクシーには 「アクアラインを通る際には帰りのアクアライン通行料をいただきます」 という表示がされていた。 それだけ高いということだろう。 それにしても、わざわざタクシー代を出すとは このご時世に太っ腹である。 なんだかんだ言っても、IT業界はまだまだ景気がいいのかもしれない。
思うのだが、景気の良し悪しは、 無駄が多いか少ないかで決まるのではないだろうか。 消費者の購買意欲が低い、と言うが、 それはつまり、無駄を省こうとしてコストダウンを図っている、という事である。 企業も同じことで、 最近はコストダウンの手法もどんどん発展し、 各企業がこぞってコストダウンに取り組んでいる。 リストラクチュアリング以外にも、コストダウンの手法は多彩である。 で、コストダウンが進めば進むほど、 当然のことながら無駄な出費は減る。 無駄な出費が減らなければコストダウンとは言えない。 と、どうなるか。 当たり前だが、卸を通さず直送で配達すれば、卸の収益は下がる。 業者を通さず自社でさまざまな管理をすれば、業者はお手上げである。 要するに、コストダウンをすればするほど景気が悪くなるのではないか、と思うのだ。 安直だが、要因の一つには挙げられる気がする。
で、仕事場に向かったら、 シルビアがボンネットを下にして地面に突き刺さっていた。 世にも奇妙な光景だった。 君津では車が地面に刺さるものなのかと一瞬思ったが、 そうではないらしい。
肝心の仕事なのだが、 ハブが机で踏み潰されていたり、配線がごちゃごちゃになっていたり、 肝心のPCが極端に遅かったりで、とにかく苦労した。 バックアップを取ろうとするとフリーズするのだ。 あと、pingを打つと4回に1回しか帰ってこない、とか…。
で、10時間働いた。 5時間の予定だったので給料は倍である。 苦労したが、ラッキーである。
ちなみに、五月五日、 2ちゃんねるからここにアクセスがあった。 どこのどいつかと思ったが、 1bitオーディオ板からだったので、誰なのかはすぐに分かった。 一瞬恐怖を感じてしまったが…。
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