六本木ミニだより
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■実家に行った話の続き。
■私の父には、「他者に快楽を強制する」という困った嗜癖がある。人間にやられるとたまったものではないが、今は私は被害圏の外にいるので、面白がる側に回っていられる。
■どういうことかというと・・・。飼っている犬を甘やかして、求めるままにおやつを与える、という人って、ときどきいますよね。でも父はそれを超えている。おやつを求めてもいない犬を追いかけていって、無理矢理食べさせてしまうのだ。おかげで2匹の犬はデブデブ。
■中毒物質を強制的に与え続けていると、犬というのも、依存症になるらしい。いつ行っても、阿片窟に座り込んでいる人のような、メロウな顔をしている。父が与えるおやつを、全然嬉しそうじゃない顔で、ため息つきながら食べる。でも断れない。そして依存心が強い。
■私が父にパソコンの使い方を教えたあと、父が車で日比谷まで送ってくれることになった。犬も散歩に行きたいので乗ってきたが、私も犬好きではあるので、断らなかった。 ところが走行中、ダルたんは、私が座っている助手席にやってきて、やおらおしりを向けた。そして、狭い助手席で、身体をすりつけてくる。ぎゅー。お、重いよ。ぎゅ、ぎゅー。重いってば。ぎゅーーーーー。ひえー、窒息する〜。
■ふつう、犬って、甘えるとき正面から目を見てきませんか? ところがこのダルたん、ぎゅーぎゅーやっているあいだ、絶対、私に目を合わせない。そっぽを向いて、「あたし、何しているのかしら?」って顔している。
■「ああ、だめ。いけない思っているのに・・・ 身体求めてしまうアタシ・・・」。どうしても、犬の副音声が頭にひびいてしまう。吹き替えしたくて仕方がないのだが、父にはどこがおもしろいのかさっぱりわからないらしいので、しかたなく、ひとりでニヤニヤしている。 うるさいわねー。私は犬よ。牛じゃないわよ。
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