夏撃波[暗黒武闘戦線・歌劇派]の独白

2021年03月21日(日) 〈十代の僕へ 十代の君へ〉

三十年前
何もかもを自らの内に秘め
ひとり苦しんでいた僕
大切な人を絶対に
傷つけたくなかったから
すべてを胸のうちにとどめ
歯を食いしばって
嵐の行きすぎるのを待っていた

傷あとはだいぶ小さくなったけど
あの頃の痛みと苦しみが
今でも思い出され
時々うずくんだ

膝をかかえてうずくまる君
君を助けられるなんて
大それたことを
思っちゃいないさ

だけど
十代の君は
かつての僕自身を
思い出させるのさ

あの日
助けを求めて
光ある方へ
手を伸ばしていた僕

だから君に言うんだ
死にたいと思っても
絶対に死ぬな
君が向かうべき場所は
そこじゃないよ

手を伸ばすんだ
思いきり手を伸ばすんだ
君は君がなりたいと思う君に
なれるはずだから
たとえ光に届かなくても
伸ばした手の先に
君の向かうべき場所があるはずだから

道の先には
未だ見ぬ世界が
君を待ち受けてるはずさ

その美しい風景のなかで
いつか必ず
君と再び出会いたいんだ

※このところ、詩を書きたくなって少しずつ書いてます。
『十代の僕へ 十代の君へ』は夜中に一気に浮かんできました。冒頭で30年前と言ってますが、現実の私は50代半ば。40年前というより30年前と言ったほうが詩的と感じられたので、そこはフィクションです。ていうか、詩そのものもフィクションと言えば、フィクションですが。現実の出来事から発想されたことは間違いないけど、虚構のなかに本質的な何かを映し出せたらいいなあって思います。


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