幸せと辛さ、横の棒が一本加わるかどうかで、意味はだいぶ変わってくる。でもね、幸と辛、実は表裏一体なんじゃないかって思うんだ。 辛いなかにも幸福感を感じることって、誰にも経験があるんじゃないだろうか。 私の家のご近所さんに、母親を介護する女性(私より少しお姉さん)がいるけど、いつ会っても笑顔を絶やさない。きっと彼女にだって辛いことは多いはず。彼女に会うたび、私も彼女のようでありたいと思う。 辛い時こそ笑おうとも思う。辛いなかでも、笑えることって、けっこうあるもんだよ。ユーモアを忘れないってことかな。それが、自分自身を守る手段でもある。辛さに押しつぶされないようにね。 実は、母が入院しててね、けっこう大変ではあるんだ。きっと自閉症の兄も辛い思いをしてることだろう。私が帰宅すると、ホッとしたような笑顔を浮かべるからね。 私がふざけると、兄もふざけて、ちょっと空気がゆるむんだ。その瞬間は、少し幸せだったりする。人の笑顔って、気持ちをポジティブにしてくれるね。 山梨にUターンしてきて約1年半、いい出会いがたくさんあった。十代の中高生たちとの出会いもなかなか新鮮だった。思春期で悩みも多かろうと思うが、何事かにチャレンジしようとする姿勢からは多くのことを教えられる。壁にぶつかりながら、それを乗り越えようとしてる姿がとてもまぶしく映るんだ。 人生、なかなか思うようにいかないことばかりだ。でも、チャレンジしなかったら、後悔しか残らないように思うんだ。 私は、弱い人間だ。でも、ポジティブに生きる人の姿が、私の背中を押してくれる。辛いことの多い人生だけど、辛さを知る分、幸せを強く噛みしめることもできる。 これまでの半世紀あまりの人生、後悔も多いけど、この先は悔いることのない人生を自ら作り出していこうと思う。 素晴らしい人たちの出会いが、そんなことを気づかせてくれたんだ。
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