| 2010年09月06日(月) |
棘はずっと刺さったまんまだ(2010) |
棘はずっと刺さったまんまだ 棘はずっと刺さったまんまだ 生まれたときから ずっと刺さったまんまだ
物心ついた頃には 棘は俺に深く刺さっていた それは痛みを伴って 俺の意識は否応なく棘に向かわされる だが 抜こうとすればするほど 棘は ますます奥深く俺の体の中心を突き刺した 激しい痛みとともに 俺は気を失いそうだった 棘は遠慮会釈なく 俺のなかに居座った 棘はずっと刺さったまんまだ 棘はずっと刺さったまんまだ 子どもの頃から ずっと刺さったまんまだ
棘は増殖に増殖を重ね 最早なすすべはなかった 俺は次の手を考えついた そうだ 棘が寄生する俺自身を葬り去ってしまえばいい けれど 計画は実行されなかった だから 俺は今もこうして生きている 今も こうして
棘はずっと刺さったまんまだ 棘はずっと刺さったまんまだ 大人になっても ずっと刺さったまんまだ
膝を抱え 体をまるめ 身を固くして 痛みに耐え続けた 痛みに耐え 痛みに耐え 痛みに耐え いつしか 俺はさほど痛みを感じなくなった いまや 棘は 俺の体の一部だ いや 俺が俺であることの 徴(しるし)なんだ
棘はずっと刺さったまんまだ 棘はずっと刺さったまんまだ 俺が死ぬまで 棘はずっと刺さったまんまだ
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2002年秋(もう8年前になるんだな)、俺は名古屋のアングラ劇団「pHー7」の芝居に取り組んでいた。『幻想ヒポカンパス〜太陽と王権〜』というのがその時の公演タイトルだが、自作の詩を朗読しながら芝居するシーンがあった。その時に作った詩が、<棘はずっと刺さったまんまだ>。自分としてはよくできた詩だと思ったし、周りからも評価されたことに気をよくしていた。いつか曲をつけようと漠然と考えていたが、ついにその時がやってきたということのようだ。 詩を一部書き換えて、トーキング・ブルース風に(と勝手に思っているが)曲をつけてみた。ひとりで煮詰まりそうになって、沙羅にも助けを求めながら(客観的な目も欲しくて)、何とか曲にまとめた。ギターをポロポロ弾きながら歌ってみるというのを繰り返しながら、今はしっくりいく感じを探っている段階。 今年中にどこかで発表できたら、と思っている。
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