夏撃波[暗黒武闘戦線・歌劇派]の独白

2004年11月26日(金) フェスゲー

 「フェスゲー」って何のことだか、浪花っ子でもない限り、わかりませんよね。8階建ての建物に立体遊園地、各種飲食店、ゲーム施設、ショップ、シアター・コンプレックス等が入った複合施設「フェスティバルゲート」、それを略したら「フェスゲー」になるみたいやでぇ。その「フェスゲー」は、大阪のシンボルでもある通天閣の立つ「新世界」にあるそうや。日本一の寄せ場・釜ヶ崎も目と鼻の先、大阪のなかでもとってもディープな場所っちゅうわけや。今回泊まったのも、「新世界」にある素泊まり2500円の「ビジネスホテル」。ホテルの隣のキリスト教会では、ドラムスの演奏に合わせて説教が行われていて、まるでゴスペルで説教したりするニューヨーク・ハーレムの教会みたいなイメージやね。なんや知らんけど、さっきから、わいは「にわか大阪人」になってしもうたんかいな。まあ、生粋の大阪人とは違うんで、これ以上くどいのはやめときます。

 ところで、今回大阪までやってきたのは、来月初めに「COCOROOM」(フェスゲーの4階にあるお店)で開催されるイベントの下見というのがひとつ、それと本日「db」(フェスゲー3階にあるアート・スペース)でのダンス公演(大野慶人「魂の糧」+金満里「ウリ・オモニ」)を観るという目的もあった。
 「COCOROOM」代表の上田かなよさん(自ら「詩業家」を名乗る)とは、8月に名古屋で行われた詩の朗読イベントで知り合った。かなよさんが中心になって経営している店「COCOROOM」でいつかライブをやりたいと思っていたのだが、今回それが実現することになった。8月に一度お会いしただけのかなよさんだが、こちらは旧知の友人くらいの気持ちで、イベントについても気軽に相談させていただいた。
 本番前に一度店を見てみたいと思っていたところに、フェスゲーの3階で、大野慶人さんと金満里さんのダンス公演があるとの情報を得た。で、これはもう行くしかないと、大阪にやってきたわけだ。「db」には、かなよさんともう一人のキモノ美人さんと連れだって出掛けてきた。

 さて、肝心の公演の感想だが、金満里さんの舞踏には圧倒されたね。身障者であり、在日コリアンでもある満里さんだが、そのルーツが圧倒的なまでの力をもたらすのかな。満里さんが代表を務める「劇団態変」も優れた舞踏集団であるが、ソロダンスは満里さん自身の自在な身体表現をより鮮明にさせた。「身体障害者」であるはずの、金満里さんの身体表現の何と自由なことか。まったく「障害されていない」ダンスを目の当たりにして、あらためて舞踏家・金満里、そして演出家・金満里の表現力の大きさを感じさせられた。
 一方の、大野慶人さんのソロ・ダンスはいまひとつキレの悪さが感じられたが(私にはそう映った)、満里さんとのコラボレーションでは互いのダンスがプラスに作用し合って二人のよさが引き出された舞台であったと思う。それぞれが<個>でありながら見事にシンクロしている感じ。
 ダンサーの肉体から発せられる気が観客にいかなるメッセージとして受け取られるのか。多くの場合、ダンスは直接的に言語を発しないが、優れた表現というものは非言語のなかにも豊かな「言語」が内包されているものなのだろう。そして、それは「存在の在り方」、もっと言えば生きざまというものとも無関係ではないと思う。
 


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夏撃波 [MAIL]