夏撃波[暗黒武闘戦線・歌劇派]の独白

2004年02月15日(日) 「ことばの国の音楽」

 宿直の仕事を終えたその足で上京。
 まずは、池袋にある東京芸術劇場・小ホール2で上演の、横浜ボートシアター公演『神だのみ』を観劇。横浜ボートシアターと言えば、数年前にNHK衛星放送で放映された『小栗判官照手姫』がとても素晴らしかった。仮面劇として演じられたその芝居は「アジア的」とも言うべき劇的空間を作り出し、神秘的な舞台を展開していた。だからこそ今回の公演に対する期待は大きく、宿直明けにもかかわらず出かけていったわけだ。
 『神だのみ』という今回の公演は、「ハイエナ」「智恵」「歳月」の3編からなるオムニバスであった。結論から先に言えば、これが期待を大きく裏切る出来だった。特に「ハイエナ」に出演の役者はセリフがまるでなっておらず、身体のキレも非常に悪く、素人の芝居を観ているかのようだった(「こちとら、4千円も払っているってえのに、そりゃねえだろ」って、いくら温厚な私でもキレそうになったぜ)。「智恵」は多少マシだったものの、こちらは依然として物語に入り込めないままだ。ピアノやパーカッションの生演奏もついていたけど、肝心の芝居がこれじゃあね。
 3編目の「歳月」は、長い歳月を連れ添った老夫婦の話。ふたり芝居だ。これがせめてもの救いであった。それまでの2編とはうって変わって、観ている側も物語にしっかり入り込めた。味わい深い演技で、まさに「歳月」を感じさせる仕上がりとなっていた。良質な「新劇」を観たような印象とでも言ったらよいだろうか。
 今後の横浜ボートシアターだが、7月に『小栗判官照手姫』を再演するという。今回の公演を観た後では「観ないほうがいいかも」という思いにもとらわれるが、気を取り直して観てみたいような、複雑な心境だ。

 終演後、下北沢の「ラ・カーニャ」というお店に移動。友部正人プロデュース『ことばの国の音楽』(ミュージシャンと詩人によるポエトリー・リーディング)というライブを観た。出演は、友部正人、宮沢和史(ザ・ブーム)、谷川俊太郎、他。谷川さんはさすがにうまかったし、友部さんと宮沢さんのコラボレーションというのも贅沢だったし、他の出演者もそれぞれにユニークで、とても楽しいひとときを過ごした。
 ことばが音楽であるような、音楽がことばであるような、そんなステキな詩的な表現が展開されていたように感じた。
 そう言えば、下北沢の駅までの道すがら、柄本明とすれ違ったぞ(あれは、柄本明に間違いない)。心地よい気分のまま、新宿のビジネスホテルに向かった。


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夏撃波 [MAIL]