| 2004年01月31日(土) |
中西和久、山田うん、甲野善紀etc. |
今日、東京日帰り観劇旅行を敢行した。
まずは、両国「シアターX(カイ)」にて、中西和久ひとり芝居『をぐり考』を観た。『をぐり考』は中西演ずるところの「説教節三部作」のひとつで、今回は再演だ。「説教節」は、中世以後口伝えに伝わってきた民間伝承の語り物で、「小栗判官」の物語は代表的なもののひとつである。今回の公演では、邦楽の生演奏もあり、舞台に花を添えた。 とにかく「小栗」の物語じたいが面白い。歌舞伎や浄瑠璃でも演じ続けられてきた物語だが、今日にあっても独自の演出で取り組もうとする者は少なくなかった。例えば市川猿之助、例えば横浜ボートシアター・・・。調べてみたら、結成当初のスーパー一座も一度「小栗」をやっているみたいだ。中西の『をぐり考』も悪くはなかったが、それも元々の「小栗」の面白さに起因していると思うよ。この物語の面白さを理解していただくにはかなりの紙数を費やさなくてはならないだろうから、敢えて物語の説明はしないでおくけどね。これは芝居を観るなり、本を読むなりしていただいたほうがよさそうだよ。むかし横浜ボートシアターが上演した『小栗判官照手姫』がもの凄く面白かったんだけど、ね。時代を越えて多くの人々によって語り継がれてきたというところに強みはあるんだろうな。
夕方、三軒茶屋「シアタートラム」にて、山田うん独舞公演『テンテコマイ』を観た。 山田は、7歳の頃から民謡踊り、器械体操、新体操等で活躍していたが、13歳の時に膠原病慢性関節リウマチが発病しリタイア。だが、心身のリハビリのためモダンダンスを始め、それが今日の山田の踊りにつながっていくことになる。どこかぶっきらぼうな、醒めたような表情で踊る山田だが、時々刻々と変化し続け、やがてその独特な世界に引き込まれていく。初めは踊りらしからぬ動き、けだるそうな動きから入り、そこから「運動」とも「踊り」とも「戯れ」ともつかぬ動きになったり、変幻自在に動く。いい具合に力が抜けていて、コケティッシュな部分もありながら、山田の作りだす空気はとぎすまされた感じがする。暗黒舞踏の影響も受けたであろうが、そこに縛られない自由な踊り。とても新奇なイメージだ。当分の間山田うんのダンスから目が離せないゾ。 公演後、古武術の甲野善紀と山田うんの対談があった。いろんな話があったが、甲野の言ったあるひとことが印象に残っている。「昨今、『身体』ということに大きな関心が寄せられてきているが(例えば、総合格闘技の隆盛など)、それは逆に『身体』に対する危機感の表れではないか」と、大体そのような趣旨のことを語っていた。
「のぞみ」でとんぼ返り、帰宅したのは0時近く。明日は、宿直入りだというのに。やれやれ。
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