今宵、大須のライブハウス・OYSで「バンドvs詩人」というイベントが開かれた。詩人仲間からのインフォメーションでその情報を得、会場に足を運んだ。 イベント自体は悪くはなかったのだけれど、不満な点もいくつかあった。ひとつは、ないものねだりだとは思うが、詩人とバンドがコラボレートしてほしかった。めいめいが一切絡むことなく発表していた感じだったからね。もうひとつ、これが実は一番の不満な点なのだが、参加バンドの多くが<詩>とか<言葉>というものをあまりに軽視している(本人達には自覚はないかも知れないが)という点である。まあ、そんなのは今回の参加バンドに限らず、日本のミュージックシーンにおいてはさほど珍しい現象ではない。むしろ、<言葉>をも含めた<音楽>と真剣に格闘しているアーティストのほうが珍しいと言うべきであろう。 日本には数えきれないほどのバンド(プロ・アマを問わず)が存在している。名古屋・栄あたりでやってる演奏を聴く機会はあるけど、「これはいい」と思えるようなバンドはあまりないね。多くの場合、演奏技術はそこそこあるものだから、逆に「歌詞」が邪魔くさくてしょうがない、加えてボーカルが下手(「楽器演奏だけで勝負しなよ」と余計なおせっかいを焼きたくなっちまう)というパターンだね。 少なくとも「歌詞」で自分たちの価値を落とすような愚にもつかぬことだけはやめてくれ、と詩人の端くれとしてバンド関係者に伝えたい。 そう言えば、OYSというライブハウス、ステージと客席とが一体感を持ちやすい感じで、なかなかいい雰囲気を持った場所だと思ったよ。
「バンドvs詩人」に向かう少し前、私は名古屋市美術館にいて、素晴らしい芸術作品と対面していた。いま「フリーダ・カーロとその時代」展が開催されている。フリーダ・カーロをはじめとするメキシコのシュルレアリストたちの作品は、鮮やかな色彩に彩られ、生命力が満ちあふれ、幻想的な美をたたえている。現実と非現実がないまぜになったような不思議な光景が描き出され、観る者を神秘的な世界に誘っていく。言い表しがたい感動にうち震えた私であった。期間中にもう一度ぜひ観に行こうとさえ思った。 実は、私、この展覧会を観るにあたって、お金を一切払っていない。と言っても、決して不正を働いたわけではない。美術館の入口で見知らぬおばさまに呼び止められ、「チケット(招待券)1枚余ってますから、よろしかったら使って下さい」と手渡されたのだった。とても得した気分だったな。あっ、実際に得してたね。 この展覧会、本当にいいからさ、ぜひ観に行くことをおすすめするよ(今月21日まで開催)。
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