| 2003年11月09日(日) |
おいでやす、京都の夜へ |
8日昼、新幹線で京都へ向かった。京都芸術劇場(京都造形芸術大学内)で上演される、笠井叡独舞公演「花粉革命」を観るためだ。翌日には、笠井さんによるダンス・ワークショップが予定されており、それにも参加の申し込みをしていた。 公演の開始は午後5時。時間には余裕を持って動いたつもりが、いま京都は一番の観光シーズンらしく、目的地に向かうバスが途中渋滞に巻き込まれる事態が発生。開演間際に何とか滑り込み、息をととのえていると、開演ベルが鳴り出した。 舞台上に、長唄・杵屋勝之弥連中、鳴物・六郷新之丞連中の面々が登場(まさに鳴物入り」)。演奏が始まるなか、花道より「京鹿子娘道成寺」の白拍子に扮した笠井さん登場。古典的な作品を彼なりの大胆な解釈で踊ってみせた。後半の踊りは前衛的な舞踏だったが、途中セリフが入ったり、観客とも絡みながら、ラディカルでアナーキーな踊りが展開され、思わず息を呑んだ。 笠井さんの踊りは、単に段取りを追うという類のものではなく、その場の空気を探るようにして、その瞬間でしかありえないような表現を紡ぎ出す。はりつめた空気が劇場全体を支配しているかのようだった。 上演がひととおり終了し、観客から花束が手渡されると、笠井さんは束をほどいて、それを頭上に投げ出し、そこから再び舞踏を始めた。もう劇場全体が完全に笠井さんの術中にはまってしまったかのようだ。
8日夜は、祇園あたりを散策。町家の立ち並ぶ街で夕食をとり、情緒あふれる通りで舞妓さんと擦れ違い、しばし妄想する。 それにしても、京都という街は、伝統に彩られながら、一方では新しいものを取り入れようとする気風を感じる場所だと思ったね。古都という点においては、どちらかと言えば、奈良のほうが私の好みではあるけど、京都もなかなか捨てたものではないよね。大阪ともひと味違うけど「アンチ東京」とでもいう空気を感ずるんだ。これまで私は、修学旅行も含めて京都を素通りしたに過ぎなかったのだと思ったよ。
翌9日、午前中は銀閣寺に立ち寄る。 午後は、3時間ほど、笠井さんのワークショップに参加。表現の本質について、言語と身体について等、笠井さんのお考えも聞きながら、実際に身体を動かしてみる。自分の外の世界で起こっていることと自分の内からわきおこってくるものを探るようにして、考えるというよりは感じながら踊ってみる。久しぶりに気持ちよく踊った気がした。
休日はアッという間に過ぎてしまったけど、とても気分がよかった。実は、来月も京都に行くんだ。6日に、大駱駝艦の公演(於:京都芸術劇場)を観に行くんだけどね。 同じ日に笠井叡さんも出演する芝居があったのだけど、そちらはチケット完売とのことなので断念。その代わりというわけではないけど、来年2月に笠井さんが愛知にやってくるよ。ひとつは2月22日知立市文化会館での「ダンス・オペラ」公演、もうひとつは2月28日愛知県芸術劇場(大ホール)での「ダンス・クロニクル」公演だ。ちなみに、両公演とも「愛知県文化情報センター」(052−971−5511内線725)が問い合わせ先になっている。笠井さんの踊りを観たことのない方には、一度ぜひ観ていただきたい。
話はあちこちに飛んだけど、歴史ある街で前衛的な表現を観ることができたってことで、とても幸せな休日だった。
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