| 2002年09月26日(木) |
大和(奈良)は国のまほろば |
「全国知的障害関係施設職員研究大会」というのが奈良で開催され、職場を代表して参加してきた。何でも今年で40回目を迎えるという歴史ある大会だそうな。第6回大会では、糸賀一雄氏(彼の福祉思想は、戦後日本の福祉に大きな影響を及ぼした)が壇上で倒れ急逝した、とのこと。そんな大会だったとは全然知らなかった。 今回の参加者はおよそ3500名、1会場に収まりきらず、メイン会場に入れない約半数の人達はサブ会場にて「全体会」の模様をモニターで見るという形がとられた。これじゃあ、国立競技場の大画面で「ワールドカップ」を見ている人達と、状況的には一緒だよね(私は、メイン会場組でしたけど)。それから、開会式はVTRやBGMが多用されていて、かなり大仰だった。 ところで、知的障害者分野では来年度から「制度改革」が実施され、施設の位置づけも、職員の「利用者」への対応の仕方も、変更を求められることになる。老人福祉分野での「公的介護保険」のスタートと同程度のインパクトはありそうだ。 ここ数年(「われわれの業界」では)「本人主体」などという言葉も盛んに叫ばれるようになってきたが、裏を返せば、これまでは「本人」つまり「障害者」の思いはないがしろにされてきたということでもある。だが、そのことが「制度改革」を機に改善されていくかという点について、私は非常に懐疑的である。 初日の全体会では、開会式に引き続き、「行政説明」「特別講演」「基調講演」が立て続けにあり、これでだいぶくたびれた。アフターファイブはと言えば、翌日の分科会での講師の方々を囲んでの懇親会。これは自由参加ではあったが、参加してみたところ、なかなか面白かった。講演では語られぬであろう部分も含めてざっくばらんな話もできてよかった。 2日目以降の「分科会」では「基調講演」「実践報告」「グループ討論」「シンポジウム」と続いた。他の現場の意見などを聞くことができたのはよかったし、それぞれの発表もそれなりに興味深く聞いた。職場を一歩離れ、たまには研修を受けてみるのも悪くない。ただ、同じ椅子に同じ姿勢のまま長時間居続けるということの苦痛をも経験した。 奈良での研修と聞いて最初は「ラッキー」(「奈良観光が楽しみ」)と思った私だが、結局は観光らしい観光はほとんどしないままに(「劇団態変」のテント公演は観たけどね)奈良を発った。奈良公園を散策してシカを見ることができたことで今回は納得することにした。この時期余裕があれば、奈良ではゆっくりしたいところだったが、諸事情があって断念せざるを得なかった。 思えば、奈良には数回来ているのだが(中学・高校の修学旅行がいずれも京都・奈良だったし、その他プライベートでも2,3度来ている)、結構この地を気に入っている。何を隠そう、私は「素人・仏像鑑賞家」でもあり、「にわか古寺巡礼者」だったり、「鄙びた場所・愛好家」だったりする。こんな私にとってみれば、奈良は見るべきものがあふれそうなほど沢山ある場所ということになる。これからの季節は奈良観光にはうってつけなのだが、稽古があるから無理やな。いつかまた奈良にいくでえ。 「態変」の公演レポートは、明日の日記ででもお送りするとしよう。どうぞ、お楽しみに。
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