夏撃波[暗黒武闘戦線・歌劇派]の独白

2002年08月24日(土) 寺山修司を踏み越えてゆけ

 俺は、寺山修司が創りだした世界がとても好きだ!
 pH-7のメンバーにも、寺山ファンは多い。
 だからこそ言いたいこともある。

 演劇、映画、詩歌、評論・エッセイ・・・、幅広いジャンルにおいて、寺山は非凡なる才能を発揮した。どれ一つとってみても寺山の足元にも及ばない、と平凡なる人々(むろん俺もその一人だ)は感ずるかも知れない。
 でも、俺は、寺山を決して神格化したくない、と思っている(寺山もそんなことは望んでいないと思う)。だいたい寺山の手法をなぞったからと言って、寺山に近づけるわけではないのだ。
 寺山の凄さは、その芸術的センス以上に、芸術に対する姿勢にある、と俺は考えている。寺山は、<寺山以前>と<寺山以後>とにはっきりと区分されるような、革命的な事件の「煽動者(アジテーター)」だったのではなかろうか(なぜか寺山は「役者」としてスポットライトを浴びることはなかった)。<寺山以前>に支配的だった「体制」に果敢に挑み、新たなる価値を打ち立てた。そして、死後20年近く経ってなお寺山の影響力は未だに衰えることはない。そのこと自体、もの凄いことだと思う。
 あまりに当たり前のことだが、俺は決して寺山にはなれない。でも、寺山の芸術に対する構えに学ぶことはできると思う。そして、表現者の端くれを名乗る身にとっては、寺山もまた、いずれ踏み越えていかなければならない存在なのだ。
 生前寺山はボクシングをこよなく愛した(漫画「あしたのジョー」に登場する力石の「喪主」をつとめたこともあった)・・・。たとえマットに沈もうとも、俺は最強のチャンピオンに闘いを挑んでいく。そんな気概を持っていたい。でも、闘うからには勝ちを狙っていくべきだ。そのためには、誰もが(当然、相手も)予想し得ない攻撃を仕掛けていくしかない。正攻法で敵わぬ相手には、<ゲリラ戦>でいくよりしょうがない。実際、寺山はそうして勝ち上がってきたではないか。その意味では「不可能」はないのだ。
 新世紀の旗手として、今、立ち上がるべき時なのだ!!
 
 


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