夏撃波[暗黒武闘戦線・歌劇派]の独白

2002年06月08日(土) スポーツ談義

 巷では、ワールドカップ・サッカーの話題で大盛り上がり。プロ野球はすっかり霞んでしまったようだ。今日は、スポーツ談義でもしようか。

 まずは、サッカー。Jリーグにはほとんど興味のない私だが、サッカーそのものは好きなスポーツだ。ひとつのボールを奪い合い(主に足で蹴ってボールを扱う、プレイ中はボールに手で触れてはならない)、イレブン(チーム11人)が連携して相手ゴールを目指す。シュートが決まれば得点となる。難しいルールはオフサイドぐらいで、シンプルかつプリミティブなスポーツと言える。どこか野蛮な匂いさえ感じられて、そこんとこがいいんだけど、Jリーグは脱色されて何かつまんない感じがする。同じようなことは日本のプロ野球にもあてはまるかな。
 ワールドカップはJリーグとは本質的に違う気がする。プレイのレベルが違うということもあるが、それ以上に情熱の違いのようなもの(「サッカー王国」と呼ばれる国々の人々とそれ以外の人々との)が感じられる。ワールドカップの試合そのものは興味があるけど、そこに行きすぎた商業主義の匂いが嗅ぎとれてしまうと興ざめしてしまう(チケットをめぐるゴタゴタなど)。

 次に、野球。日本のプロ野球はつまらないと思う。ON(王・長嶋の黄金コンビ)が現役で活躍していた頃は、野球好きだったのに。当然巨人ファンでもあったし、「巨人の星」も好きだった。それが今ではアンチ巨人。他チームの有力選手を札束攻勢でかき集めて、結果として日本のプロ野球をダメにした元凶は「読売巨人軍」だと思っている。日本のプロ野球を観る気にもなれない。むしろ今はアメリカ大リーグに興味がある。別に「民族主義者」でもないはずなのに、日本人大リーガーを応援している。特に、野茂が好きだな。彼には確固たる信念のようなものを感ずる。タイプは違うが、新庄には親近感を覚える。

 大相撲は本当につまらなくなった。昔はよかった、なんて俺も年とったってことか?
 俺のなかで最強の横綱は「北の湖」(「大鵬」の現役時代は知らないので何とも言えない)。憎たらしいほどに強かったあの男。相手を土俵に投げ飛ばした後、彼はふんぞり返って「どうだ、俺様に勝てるわけねえだろ」みたいな態度を見せた(多分本人は無意識だったのだろうが)。気のいい力士は、負けた相手が立ち上がるのを手助けしようとするが、「北の湖」はそんな態度を決して見せなかった。「北の湖」の傲慢とも思える態度には、子供ながらに憤りを覚えたものだった。その「北の湖」が目に見えて弱くなった時があった。あんなに簡単に負けるなんて・・・。それまで蛇蝎のごとく嫌っていたはずの「北の湖」に初めて憐憫の情がわいた。その場所で「北の湖」は引退した。
 「北の湖」が引退してさみしいという感情がわき起こったのには、俺自身驚いた。それまで傲慢としか映らなかった彼の態度が逆にカッコいいと感じられるようになった。自らが土俵に投げ出した相手に手を貸して起こしてあげること、それは一見親切のように思える。だが、ひとたび土俵に上がれば、力士にとってそこは「戦場」に他ならないのだ。敗れ去った者は自らの力で立ち上がってくるがいい。「北の湖」の態度は、無言のうちにそう語っているように思えた。

 どうもさみしいかぎりの昨今の日本のスポーツ事情を語ってやるせない思いになってきた。まだまだスポーツに関しては思うところはあるのだが、いずれまた。本日はこれぎり。


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夏撃波 [MAIL]