バカ恋 | back index next |
■ 愛を乞う人、愛を与える人 ■ 仕事帰りの何時もの田舎道。 真っ暗な田舎道。 原チャリを飛ばして帰っていると、 目の前に何かが飛んできて、 顔面に猛烈な痛みを感じました。 何かが顔面に激突したのです。其れは何? よくよく見ると、原チャリのタイヤの辺りにバタバタと動く、 黒い物体を発見。其れは何? 其れは・・・ 一匹の・・・ ザ・コウモリ野郎 いやあ、びっくらこいただよ。 帰ってから鏡見たら、頬っぺた切れて血が出てただよ。 今日のあたしは顔面からも下からも出血大サービスです。はい。 コウモリに顔面激突された本日、月に一度の御客様もいらっしゃいました。 あたしはどっちかっつーと、生理不順気味で、 今まで何度も 来ない・・・もすかすて?べいびー? なんつー心配事を毎月のようにしていたのですが、 コージと付き合いだしてからと云うもの、 其の様な心配は一切無く! 生理御一行様も毎月のように決まっていらっしゃるようになりました。 心配なんてする訳ねえよ。 だってだってだって 今まで一度だって 成してないのですもの! セックスが無い訳では無いのですよ。 只ね、コージくんがイケないんですよ。 何故コージが其の様な悲劇の肉体になってしまったかと云うと、 元奥様に愛の無いセックスを強いられ、結婚生活に疲れ果て、 挙句鬱病になり、全ての欲を失ってしまったからなのです。 物欲、金欲、食欲、睡眠欲、そして性欲を。 可哀想だと思うのは簡単で、慰めるのも簡単だけれど、 本人にしか判らないどうしようもない気持ちが在るのだと思います。 そしてあたしは女でコージは男。 コージの気持ちをまんま理解する事など出来ないのです。 きっとあたし以上にコージは悩んでいる筈だもの。 初めのうちは、あたしに女としての魅力が無いんじゃないかとか、 愛されていないんじゃないかとか、 あたしが何とか治してみせる!とか、 そんな風に考えてしまっていたけれど、 そうじゃないんだよね。 そんなあたしの焦る思いがあたしの身体を通って、 コージに伝わってた気がします。 もちろんスキンシップはとても大切で、 抱き合う事は愛情を確認し合う行為であるとも思います。 でも、其れだけでも無いとも思う。 負け惜しみとか、自己庇護とかでは無く、 心と身体は一体で、気持ちが穏やかじゃ無ければ、 きっと身体も言う事を聞いてはくれないんじゃないかな。 力ずくでどうにか成る問題でも無いし、 兎に角、無理は禁物。 だからね、 何故?と首を捻るのではなく、 其処に到達するまでの時間を楽しみたいと思うのです。 何時かコージとの子供を子宮に宿したい。 だからこそ、其れまでの時間を、 コージと一緒にゆっくりと歩んで行きたいのです。 少しずつ少しずつ。 日曜日にコージと一緒に植えたチューリップの球根が、 春の匂いに誘われて芽を出すのを 楽しみに待つように。 そして、あたしは来月も この酷い生理痛に耐えながら、 必死で生きる事でしょう。 むううううううううう |
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