バカ恋 | back index next |
■ 穴の誘惑 ■ あたしには昔から妙な処がある。 在る衝動に駆られ、其れが頭にこびり付いて離れなくなってしまう。 結果どうなるか、なんてことは微塵も考えず、 まるで、カルカンで猫まっしぐらのように、 頭の中は其の事に支配されてしまう。 ドキドキ感がたまらん止まらんマイルドソルト。 例えば、コンセントの穴 あの穴の中が非常に気になり、何かを差し込みたい衝動に駆られ、 おもむろに台所へ行き、食器棚からフォークを取り出して、 何の躊躇もせず、コンセントの穴に手にしたフォークを差し込んだ。 バァチッ!という音と共に、家の中が真っ暗になり、 幼いあたしは壱メートルほど吹っ飛んで、意識を失った。 或る日のテレビで今は亡きジミー大西が(←勝手に殺しちゃった) 同じ様な事をしたと告白しているのを見て、 「あたしのレヴェルはジミー大西か・・・」と正直泣いた。 例えば、ペンギンちゃんの氷かき (此れ知ってる貴方、三十路は軽く超えてますね) 氷を入れる小さな穴からちらりと見える、 銀色に光るモノが何なのか確かめたくなり、 ハンドルを回し、ペンギンちゃんの目をクルクルさせながら、 穴に指を突っ込み、恐ろしい激痛と共にあたしの指はザックリと切れて、 あたり一面血の海となった。 今でも左の人差し指には、其の時の傷が残っている。 例えば、BB弾 この玉の大きさは、鼻の穴とジャストサイズ!と思った瞬間、 両方の鼻の穴に弐発ずつ計四発、BB弾を突っ込んだのだが、 余りにも奥まで詰め込んでしまったため、 取れなくなってしまい、大騒ぎして耳鼻科へ駆け込み、 医者に笑われながらピンセットで取ってもらった。 とは云え、いずれも幼い頃の体験談。 まさか大人になってまでやる筈無いって思う。 でしょ? でも、 其の、まさか。 例えば、灯油 ファンヒーターが灯油切れになったので、給油をしていたら、 ドバっと溢してしまい、慌ててティッシュで拭き取ったのだが、 灯油の燃え具合を知りたくなった其の瞬間、 ポケットの中にあったライターを取り出し、 灯油塗れのティッシュに火を付けた。 思った以上に激しく燃えて、あわや大火事になる所だった。 こんなあたし、どお? 命が幾つあっても足りない |
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