日記日和
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2005年08月15日(月) 終戦60年


久しぶりに手にした今朝の新聞。
終戦60年ということで、その特集が組まれていたのでじっくり読みました。


戦後生まれの私は、当然のことながら実体験での戦争は知りません。

でも、体験した人から多くのことを教えられ、ある程度は想像出来ます。



よく「戦争を風化させないように」という言葉を聞き、勿論私にもその思いはあるけど、次の世代の子供たちに戦争のことを語る言葉がないのです。


その分、戦争にまつわる新聞記事やテレビ番組を見せるようにはしていますが、子供たちがどこまで理解してるのかは大きな謎・・


実際に戦地に行かれ、また、戦火の中で子供や家を守った経験のある方々が、ご自身の苦労した話を語って下さっても、子供たちにとっては、ずっと昔の他所の世界のことのような感覚なのかな、と感じることがあります。

今も、戦争状態の国はいくつもあります。
が、やはり子供たちには、それを現実のこととして受け止められていない気がするのです。


ただ、同年代の子供が犠牲になった話は、やはり感じるものがあるようで、例えば、原爆で学年の子皆が亡くなったとか、クラスのうち助かったのは数人だけというような話を聞くとちょっと神妙な顔つきになっています。

せめて、そういう彼らに理解できる範囲のことだけでも、ちゃんと伝えなければ・・と思います。




私自身は、小さい頃に祖母や父から戦時中に怖い思いをした話は何度も聞きました。

祖母は話の最後に「今は平和だけど、〇〇ちゃん(私のこと)が大人になった頃にはまた戦争があるよ」と何度となく言っていました。

子供だった私は、大人になったら私も焼夷弾のなかを逃げ惑い、防空壕に身を潜めるんだ・・とそのたびに不安になったものです。



実際、大人になった今も戦争の経験はせずに済んでいますが、今になって祖母の言葉を別の意味で恐ろしく感じるようになりました。


長男を戦争で亡くし、自分自身も多くの怖い経験、辛い経験をした祖母が、「もう戦争してはいけないよ」ではなく「また戦争が起こる」と言ったこと。

うまく表現できませんが、戦争で散々苦しい思いをしても、なお戦争を放棄するという言葉が出なかったこと。


当時・・明治以来の政府は、戦争に向けてどれほど国民の意識を操作してたんでしょう。

それを考えると、戦後20余年経ってなお、祖母に「また戦争が起こるよ」と言わしめたことにとても怖い思いがするのです。



過ちをもう2度と繰り返さないために。

合掌。


イサカ |MAILHomePage

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