映画鑑賞日記
DiaryINDEX|past|will
☆STORY 新学期、新しくきた社会科の先生シモネット先生は生徒にある課題をだす。その課題とは「世界を変えること」。トレバーは課題を実現するために一つの方法を考え出す。その方法は、他の人のためになにかしてあげることから始まる。次にそれをしてもらった人は、別の人3人に対して、なにかやってあげる。すなわち”先に渡す”(ペイフォワード)なのである。トレバーは”くそったれな世の中を”変えるためにその方法をためすことにする。しかし、…
★感想 僕の心を完璧に捉えた作品です。別に派手なアクションがあるわけではなく、映像的に特に優れているわけではない。でも、内容は、重く、つらいけれど、その奥にあるテーマ、思いが心にずしんと響く作品でです。絶対泣くもんかと思ってましたが、不覚にも泣いてしまいました。しかも表面的にではなく、こころの奥底からという感じです。 映画を見た後の満足感を味わったことのある人はいますか?僕は、スタッフロールの時に、映画の1シーン1シーンを頭に思い浮かべながらその映画の余韻に浸るのが好きなのですが、映画館ではじめてこの映画をみたときまさに放心状態でした。体中が精神、肉体ともに満たされた感じを味わったといってもいいくらい感動てきでした。 福祉、教育、ボランティアなど、自分のためでなく相手のためになにかをやる活動は、この世の中にたくさんあります。なにかをしてもらった人は当然うれしいでしょうし、なにかをしてあげた人は、お礼を言われたり、社会的に評価されたり、自分自身の満足感にひたったりるのがふつうでしょう。人間はどこかで見返りを求めてしまう生き物です。でも、「ペイフォワード」はその考えを一新するあたらしい発想なのです。 してもらったことは、そのしてもらった人にかえすのではなく、次の人に渡す。あくどい、人を不幸に、不快にさせるチェーンメールは、世の中に腐るほど存在しますが、いいことを多くの人に伝えていくようなものはありません。悪いことはすぐにひろまり、よいことはすぐには広まらない。ほんとに”世の中はくそったれ”なきがします。 この映画の元になったのは「可能の王国」という物語です。シモネット先生はいいます。”ここ(頭)はどんなことでも可能にしてくれる”と。トレバーが考えた「ペイフォワード」は不可能だと誰もが思うけれど、けっして実現できないものではない。人間、すぐにあきらめたり、もうできないと思ったりするけれど、頭の中は無限の可能の王国が広がっている。トレバーは勇気が必要なんだっていう。人間は自分の可能性を自分の無限の可能性が詰まっている同じ頭で抑制しているのかもしれない。 ホント?とかいわれそうだけど、僕も「世界を変えたい」一人です。方法はペイフォワードとはちがうけど。僕は、自分の可能性をいっぱい色々な人に発掘してもらいました。はじめはトレバーと一緒。”世界なんてくそったれ!”だけど、世界も捨てたもんじゃない。そう思い始めたのは、自分の力で世界とまではいかなくてもみじかなことは変えていけるって言うこと。 僕だけじゃなく、誰もが、自分ひとりがこれをやったってしょうがないとか、どうせ、なにいっても聞いてもらえないしって思っていることが多いと思う。でも、ほんとにそうだろうか?トレバーの言うように”勇気”がないだけなのかもしれない。実際自分がなにかをやることが社会に変化を起こせることがある。些細な変化かも入れないけど、それが集まれば世界の流れになる。 僕は、そんな「世界は変えられる」っていうことをみんなにつたえたいし、みんなが「世界を変えられる」世の中にしたいと思っています。
とまぁ説教じみてしまったけれど、僕のホンネです。そんな思いがあったからこの映画はすごく心に響いたのかもしれない。だから評価は(今までもそうだけど)かなり僕の感性が全面に出てしまってるかも…。
最後にちょっとだけ客観的に。内容は、これでもか!ってくらい重いです。DV、アル中、ホームレス、いじめ、自殺…を含みます。妹いわく、説教くさかったらしいです。でも、見たいって思った人は真剣にみてほしいと思います。僕は、そんなに説教くさいとか感じなかったし、ストレートにダイレクトに映画の思いが伝わりました。 音楽は、最高です。なんかこうもう平凡に聞こえるんだけど心にひびくメロディーです。頭にのこります。
そんな感じで、ぜひ見ていただきたい感動の一本です。
↓以下ネタばれ(映画を見てない人は絶対に見ないでください) 映画の結末についてですが、賛否両論分かれるところだと思います。ただ、僕は、トレバーが死んでしまったことに関して、ペイフォワードなんかおこなわなければ死ななかったのにと結論付ける(うちの母親の意見)のだけはどーしても反対です。そうではないと思います。トレバーは世界の変化のためにペイフォワードをおこなったのであって、死んでしまったのは不運な結果です。なにもしなかったら、シモネット先生もトレバーのお母さんも、そのほかペイフォワードされた人たちはどーなっていたかを考えるべきでしょう。なにもペイフォワードやった人が全員自虐的、自己犠牲的ということはないでしょう。ペイフォワードは義務ではないんだから。本人の自由意志です。 それから、映画のように上手くいくかどうかは現実問題難しいけれど、可能性としては十分にある。ということも強調しておきたいです。世界は変えられる僕はそう思ってます。
総評 ★★★★★★★ (★5こが最高なのに8個あげちゃう) 内容 ★★★★★★★★(★9個あげちゃう) 音楽 ★★★★★★ (★7個あげちゃう) 映像 ★★★★☆ (うー、ふつうなんですねーこれは。まあ内容重視のえいがですからね)
上映時間:124分 製作年:2000年 製作国:米 監督 ミミ・レダー 製作総指揮:メアリー・マクラグレン/ジョナサン・トレイスマン 製作:スティーブン・ルーサー/ピーター・エイブラムズ/ロバート・L・レビ 脚本:レスリー・ディクソン 原作:キャサリン・ライアン・ハイド 音楽:トーマス・ニューマン 出演:ケビン・スペイシー/ヘレン・ハント/ハーレイ・ジョエル・オスメント/ジェームズ・カビーゼル/ショーン・パイフロム/ジョン・ボン・ジョビ/アンジー・ディキンソン/ラスティ・メイヤーズ/ジェイ・モーア
レンタルビデオにて鑑賞 映画館でも鑑賞済み
公式サイト:http://payitforward.warnerbros.com/Pay_It_Forward/(注:英語)
|