長いお別れ
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家族が心の支えにならない人も案外たくさん居るはずだ。 少なくとも私はそうだ。 私の両親は早くに亡くなったので、肉親は兄しかいない。 この兄とは半分しか血が繋がっていない。異父兄だ。 歳も離れているし、15くらいからは、ほとんどあっていない。 父が亡くなってから逢った回数は数えられる程度だ。
小説や漫画やドラマでは、二人きりの兄弟だと、 ものすごく深い愛情を、たいていは上の子が持つが、 私達に限って言えば、そういうものはない。
兄が思春期の頃、恐らくは好奇心と寂しさでだと思うが 性的な接触をもたれたことがある。 ふくらんでもいない乳房を触ったり、性器をこすってみたり。 「三つ子の魂百まで」というが、私は自慰が習慣になった。 年齢的に言えば、それをするには少し早かったと思う。 悪いことだとは言われていなかったので、何も考えていなかった。 が、ある日帰省してきた兄が、その現場を目撃していった。 「いつまでそんなみっともないことをしているんだ」
おかげで…という言い方は、卑怯かもしれないが、 私は性行為は苦手だ。夢中になれないから。
そして数ヶ月前、兄は決定的に私を傷つけた。 性的な虐待については、「自分は」していないと言ったのだ。 当時、叔父や実父からも同じような行為を受けていた。 叔父と兄が一緒のことが多かった。 それなのに、彼にとっては何もなかった事になっているらしい。 うらやましい限りだ。 しかも「そんなことは早く忘れろ」とまで言った。 いつまでも囚われているから、駄目なんだと。
せめて一言、謝ってほしかったよ。 悪いことをしたって。まさかそれほど傷ついてるとは思わなかったって。 きっと死ぬまで待っても聞けないんだね。
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