十夜一夜...Marizo

 

 

読書感想文「私という運命について」 - 2008年10月21日(火)


 「私という運命について」  著者:白石 一文



先日、久々に本屋へ行って購入した一冊。
文庫の帯

「女性の揺れる10年を描いた、感動の大傑作長編小説」

これに惹かれて購入した一冊だった。


昨日から本日にかけて解説まで含めた
495ページを一気読み。

えーえー、暇ですいません。


ネタばれになるので内容に関しては触れないけど
非常に読みやすい文体だった。
また主人公である女性の年齢が私に近いこともあり
彼女を取り巻く環境(家庭や職場、社会の風潮など)に
親近感を持ったことも読みやすかった理由の一つだと思う。


〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜



昔も昔、大昔の話。

当時の私は「運命」という言葉に身を委ねていた。
私自身のことではなく、私の周りで続けておきた
悲しい出来事に正面から向き合うことが出来ずに逃げていた。


「人は決められた運命を生きている。彼が、彼女が
 こうなってしまったことは誰のせいでもない、運命なのだ」と。


私にはその時、片思いの人がいた。
同じ会社で働く営業マンだった。
二人きりで行くことこそなかったが
同僚たちとよく飲みに行っていた。


彼が中学時代の同級生で社会人になってから再会し
つきあっている彼女と結婚が決まったとき
私は自分の気持ちにけじめをつけようと
勇気を振り絞って最初で最後のデートを申し込んだ。


彼の車で小樽までのドライブ、そして食事。


その車の中で前述の
「人は決められた運命を生きている」と言った私の言葉に
普段はのんびりと穏やかな口調の彼が珍しくきつい口調で反論した。


「俺はそんなん、いやや」(関西弁の人だった)


「運命が決まってたら、どんなに頑張って努力しても意味ないやん」
「運命ってそういうもんとちゃうやろ」


彼の結婚式に同僚として出席したあと
仲が良かった先輩二人が三次会という名前の
私の自棄酒につきあってくれた。


その後、彼は転勤、そして転職をしたので
今は同じ会社にいないけれど
なぜか年賀状のやり取りだけがいまだに続いている。



〜〜〜※〜〜〜※〜〜〜



本を読み終えたあと、この想い出がふと蘇った。



そういう意味では面白かったのだろう。

ただ、なんというか・・・やはり男性が書いているからだろうか。
主人公の女性が非常に知的でサラリーマン的なのが気になった。
オンナはもっと感情的な生き物だと思うんだけどなぁと言うのも
感想の一つ。


「女性の揺れる10年」とあるが決して恋愛小説ではありません。

強いて言えば、「運命とは・・・」という感じ。


正直、お勧めはしないけど(←おいっ)
読んでもみてもいいかも・・・という
非常に微妙な作品(笑)
Marizo


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