カタルシス
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日曜の買い物で仕入れてきて その晩はサンマづくしだった本家の食卓 我が家には秋の風物詩となったそれは ときおり予期せぬタイミングで到来する
仕事を終え帰宅の途についていた私の携帯に 母からのメールが届いた 平日にメールなんて珍しいので 何かあったのだろうか?と内容をチェックしてみると
サンマ食べに来ませんか?
・・・あれ? こないだ食べ切ってなかったっけ? また買うにしちゃ変なタイミングだなぁ
「まだ残ってたの?」 と返したら
「いなかの○○さんから送られてきたの」 と返信があった
あー・・・ 来ちゃったんだ
母の実家は岩手県の海っぺり 宮古という漁港町である 毎年この時期になると 親戚・知人を問わず複数の相手から秋刀魚が届けられるのだが 皆それぞれの都合で発送するので一気に何箱も届いてしまうことがあり 氷漬けで梱包されているとはいえ紛いようのない「生魚」なので そのまま何日も放置しておくわけにいかない 一番の「口」であるハズの弟が 今ほとんど家に居つかない現状を考慮すれば 何を食べるにしても父母の2人だけではたかが知れた消費量だということが容易に想像できた
毎年の贈り物に飽きることなく育った私にしてみたら 自宅ではほとんどしない焼き魚や 関東では滅多にできない秋刀魚の刺身などが味わえるので 二つ返事で本家を目指すことにしたわけだ
地元の駅を降り 自宅へつづく道を少しそれて本家へ直行したら 妹が食事の支度に加わり立ち働いていた 彼女もメールで呼ばれたらしい(笑)
そんなこんなで 父の帰宅に合わせて食卓と整えた母は 我々に「焼き魚・刺身・つみれ汁」に仕立てた秋刀魚を振舞ってくれた 我が家の秋の贅沢
送られてきた魚は 今夜一晩では食べきれなかったけれど とりあえず刺身で堪能できる分くらいは消費したので 明日以降は焼いたり煮たり揚げたりして父母が食べてしまえるだろう 2人が平らげる前に弟が家に戻ってくれば もしかしたら彼もご相伴に預かれるかも知れないが
それは弟の動き次第のことである
『秋刀魚の味』1962年/日本
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