カタルシス
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渋谷ル・シネマにて『Dear.フランキー』鑑賞
『オペラ座の怪人』のジェラルド・バトラーが出ていることでちょっと話題になっていました ファントムに続き今作で再度来日しています 結構愛嬌があって好きだよこの人(笑) そんな彼ですが 劇中ではさほど出張ってません 主役の男の子とその母親がドラマの中心人物です
あらすじいきます ***** フランキーは9歳 引っ越しを繰り返す忙しない生活の中で難聴を患いながらも賢く素直に成長中 質素ながら美しく気丈で優しい母と 豪快な祖母に愛されて育ち 物心ついた頃から家を留守にしている船乗りの父親とは 文通で心を通わせている
と 彼は思っている
でも本当は 度重なる夫の暴力に耐えかねた母リジーが幼いフランキーを連れて家を飛び出したのが真実で度重なる引っ越しもその相手から逃れるための苦渋の選択に他ならない 育つにつれ父親の不在を訝しむようになった愛息に 言ってしまった「お父さんは船乗りなの」という出まかせの言葉を真実とすり替える為に 船旅を続ける父親になりすまして息子との文通をつづけているのは母のリジー 実の父は息子に難聴という枷をはめた張本人でもあった
そんなある日 適当に告げた船名と同じ名前の船が彼ら家族の住む港町に寄港することになった 父親に会えるかも知れないと期待に胸を膨らませる息子を傍目に 母リジーが下した決断とは… *****
もちろん本当のことなんて告白しません じゃなきゃ話がつづかないしね!(笑) リジーは父親の身代わりをお金で雇うことにします 夜の酒場を覗いてみたりもしますが結局うまくいかず 失意に暮れていたところへ同じアパートメントに住まう女性マリーが 知り合いの男性を紹介してくれるのです それが“ストレンジャー” 氏素性を明かさぬ条件で1日だけフランキーの父親役を引き受けてくれることになりました これがジェラルド・バトラーの役です
いや〜和みました! ジェリーもファントムのときより全然いいです(ドラキュリアに至ってはもう…) 寡黙な中にも優しさといたわりを持つ人柄 不器用でも懐の大きい安らげる対象を演じていてヒジョーに好感持てました
母リジーとのロマンスに偏るのかと思いきや 全編を通して子と父のあたたかい関係がメインに描かれていて良かった!ぶっちゃけると先週同じ館で見た『ラヴェンダーの咲く庭で』よりも観後感が良かったです 気持ちが良い 清々しい ほのぼのじんわりやさしい感じ
とにかく子役が可愛いです フランキーの子上手!難聴の役なので台詞は全く喋りませんが 表情や仕草で充分演技をしています 手紙の朗読や心の声が常に聞こえてくるので本人の声もちゃんと聞くことができます 声も可愛いです(おいおい) 引っ越しを繰り返している為か芯の部分で大人びたところがあって 人付き合いのコツだとか ものごとの諦めどきみたいなものが 本能的に解っているみたいな言動が端々で感じられました 完全な聾ではないので補聴器をつけて多少の音は聞こえるみたいでしたが コミュニケーションはほとんど読唇術で彼が相手の言っていることを読みとりジェスチャーやメモで返すといった方法がとられていました
で学校で知り合った友達がまた可愛いんだ(笑) 隣の席になった悪戯っ子のリッキーは 何かとフランキーをかまいに来て一見いじめっ子みたいにも見えますが 話すときはちゃんと肩を叩くなどして彼の正面に立ち唇が見えるように話しかけるし 賭をして自分が負ければ潔く宝物をくれてやる意外とまっすぐな子です フランキーが彼のことを時々鬱陶しく思いながらも バカにしたりせずにちゃんと「友達」として接しているのが嬉しかった 父に宛てた手紙に「友達ができたんだ」ってリッキーのことを書いていて 子供らしく喜びを感じている部分なんだなぁと思いました それから仲良しになる女の子カトリオーナ 名前からするとイタリー系?スパニッシュやインディアンにも見えるはっきりとした目鼻立ちの可愛い子でした 利発でお姉さん気質な女の子で何故か手話が少しできる 初めは障害のあるフランキーに同情して気にかけている風でしたが 耳が不自由なこと以外は勉強もものの考え方もしっかりできている彼に 普通の「友達」としてそばにいてくれるようになります お互いほのかに恋心チックな可愛い関係
ま さ に 癒 し の 宝 庫
目新しい部分は何一つありません きっとこんな展開なんだろうなーって解っちゃう物語 でも でも敢えて「いい映画」でしたと言わせていただきます 癒されたい人 和みたい人 子供がいる人 障害を持つ人 身近にそういう人がいる人 みんなにおすすめ
気持ちが穏やかになる映画です
『息子のまなざし』2002年/ベルギー・フランス
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