カタルシス
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2004年08月13日(金)  千鳥ヶ淵 

午前中 免許の更新をしに管轄の警察署まで父に頼んで車を出してもらう 自慢じゃないけど紙運転手なんで自分じゃハンドル握りません きっと非常事態でもなきゃ運転なんぞせんだろうね私(運転したらそれこそが非常事態だ)

帰ったら11時だったので お昼にはまだ早いと 一旦自宅での大掃除に立ち戻る 妹が父と弟を呼んで床を敷くのと ベッドの組立を手伝ってもらい その一連の作業が終わったのが丁度正午を回った頃だったので みんなで昼を食べに行くことにする

車を出して近くのステーキ&ハンバークの店でランチ もちろん父と弟の分は我々持ち 食いねぇ食いねぇ!
帰りに弟が買い物したいとPC-DEPOに寄って 外付けのスピーカーを選んでいる弟を見ながら 私も何故かDVD-Rを購入(スリムケース入りが10枚で980円だったんだもん〜) 続いて妹のリクエストにより家具のニトリに立ち寄り ベッド下収納用のケースを買う妹の横で激安の壁掛け時計をレジに持ち込む私 どうもつられて買い物しちゃう傾向にあるようね 良くないぞ… 良くない!(汗)
そうこうして自宅に戻ったら部屋片づけの続きをして 夕方になって待ち合わせのある吉祥寺に向けて家を出た

今日はスーさんのソロライブがあって 11日のPOWDEライブの日からずっと東京に滞在していた愛知から通いの友人が 暑さとハードなスケジュールに負けたのか 完璧にグロッキー状態だったので 合流したら行こうと話していた印度カレー屋は またの機会に挑戦することにして 今回は無難にお茶の濁せるケンタで 出番近くになるまでダラっと過ごした 途中窓の外をスーさんのお姉ちゃんが通りかかり こっちを見つけてニッコリと手を振ってくれたので2人して両手を大振りして返す
こっちは窓の外を見ていたから気付いて当たり前だけど 向こうは進行方向とは違う向きにある店だったのに 何で振り返ったのかしら… いや お姉ちゃん可愛いしサバサバ気持ち良くて好きだから嬉しかったんだけど ビックリしたさー(笑)

んで スーソロ
時間に遅れちゃなるまいと ちょっとだけ早く入ったら見事に押していて これからスーさんの前の人が始まるところだった でも名前を見たら「吉田あきら」さんじゃん 聴けちゃうなら聴いてっちゃうよん♪ スーさんと2〜3回対バンしてるから他のみんなも聴いたことあるんでないかな? 歌詞がしっとりというか しっぽりというか 結構粘質な詞の割にはサラっと聴けるなぁ?と前回も今回も思った 古き良きフォークを彷彿とさせる音楽と雰囲気 容姿の見た目はスリムでシャープな古着系お兄さんなんだけどね 吉祥寺とか下北とか超似合う感じで

吉田さんの演奏を後ろの方で立って聴いてたら 隣にハリマオの和泉さんが来たので軽く挨拶をしたら どう?って表情でタバコを勧めて来た 私はタバコは吸わないんで いえいえ結構ですと断ったものの 普段はそんなことしないのに何で今日に限って勧めて来たんだろう?とちょっと考え直し その時彼が手にしていたシガレットケースが思い当たったので 曲の合間に再び声をかけてみた
「和泉さん何吸ってんですか?変わったケースでしたよね」
「お!いいところに気がついたね」
ニンマリ笑顔からは 余程この話をしたかったんだろうという雰囲気が伺える

再びシガレットケースを取りだして上蓋が見えるように ステージから漏れる光にかざして見せてくれた
「スチームボーイ観て来たんだよ」
上蓋の中央には 大友アニメらしい重厚感たっぷりなイラストが配置されている
「おー 行ったんですか! 面白かったですか?」
と尋ねたら まずニヤリと笑ってから「面白かったよ」と勝ち誇ったような口調で告げられた
これは相当ツボだったに違いない! 作品について私が事前に聞いていたことを確認してみたり 和泉さんの感想を話してもらったりして 最後に「そうかー そんなに良いんだったら観に行ってみようかな〜」とこぼしたら 「そうしなよ大画面で観た方が良いよ」とプッシュされて終わった

観てみるか?『スチームボーイ』
何でも大友克洋ってば これのためにわざわざロンドンに滞在し 空の色やら建物の色を実際に観察して とことん配色にこだわったという力作らしいじゃん 背景丁寧に描き込んでいたら世の中CGの波が押し寄せてきて やけにアナログな大作になってしまったという曰くまでついている珍品だ 自己満足もここまで貫けばいっそ敬えるというもの

そもそも彼はその代表作『AKIRA』で 声優の台詞にキャラクターの口の動きをぴったり合わせるといった 当時には画期的なことをしてのけた人だ よく言われていたのが「使用セル画の枚数が『ラピュタ』8万枚に対し『AKIRA』は16万枚にも及んだ」という比較の仕方 当時はまったくの手作業だったハズだからコストと労力を思ったら砂でも吐けそうな気分になる
そう考えると大友氏 基本的に16年前から変わってない どころか更に磨きがかかった“こだわり派”なのである(苦笑)

さて閑話休題
吉田さんが終わってスーさんの出番 のっけから聴いたことのない歌を歌っていたけれど どうやらSB初期の頃の曲らしい『100マイル先で聞いた噂』とかいったかな? 本当ストックの多い人だなぁ 玉手箱さながら
POWDERの新曲『キミの部屋でみた夢』『S氏の名曲』もアコ版で披露 おお 何やら今日は調子が良いな もしかしてソロで演ってた中で一番のデキかも?くらいに感じたんだけど 私だけかな? まあいい

最後の方で客に手拍子を促して演奏する中「メンバー紹介!」と突然言い放ち
「フォークギター鈴木祐樹!」〜ギターソロ〜
「オン・ボーカル鈴木祐樹!!」〜またギターソロ〜
なーんてことをやり始めた 何かそれ 押尾コータローみたいなんスけど(笑)
続いて
「オン・ドラムス!…」と言い出したので 本当に押尾さんみたいなことすんのかと思ったら
「オーディエンス!(聴客)」と我々の拍手をドラムソロ代わりに盛り立てて 見るからにご機嫌そうな笑顔

「って氷室京介が言ってた DVDで」
…その一言は言わんでいいッ(ちょい萎え)

終わってから裏に回ったらもうスーさんはどっか行っちゃった後で 運良く彼に会えた人が言うには「戻って来るからちょっと待ってて」みたいなことを言っていたらしい ふーん?いつ帰って来るんかね? 何となくその場で出待ちの皆さんとタル〜く歓談 アンケートも書き終えてスー氏が戻って来たら渡して帰ろうと思っているのに なかなか本人が戻って来ない 代わりと言ってはナンだけどマネージャーのカリーさんが話し相手になってくれたので それなりに色々ぶちまけさせてもらった

しつこいようだけど「褒めるときは褒める」はしないとね 「ダメだったときにツッコむ」よりも重点をおいてあげないと ヘコみ体質らしいので彼

まぁ普通 誰だってダメ出しされりゃヘコむけどね 自分もそうだし でもダメ出しされなきゃ解らないことがあるのも実際あって そのおかげで良い勉強をしたと思えることも多々ある 悪意がないと解っている相手からの苦言は 誹謗や中傷なんかよりもずっと堪えるけれど 同じ相手からお褒めの言葉をもらえたときは それこそ天にも上れる気分になっちゃう訳よ そんな感覚を皆が皆持っているとは限らないけれど 少なくとも自分はそうだから 可能な限りの誠意を持って苦言も甘言も伝えていきたいなと思ってる
ぶっちゃけどうでもイイ相手には適当にお茶を濁して何も言わずに済ませたりしてるんで 良くも悪くも「何かを言う」ってことは「気に掛けてる」と同意語だからさ 私の場合

そんな訳なので もうダメだと本気で思ったら 何も言わずに去ります 消えます 離れます

そんな日が来ないように頑張ってねv あの人もこの人も みんなみんなv うふ☆

しばらく待っていたものの 当のスーさん帰ってくる気配がなく まず愛知に帰らなければいけない友人が一足先に脱落 泣く泣く家路に就く 続いて我々もそろそろお暇しましょうか という雰囲気になったら カリーさんがスー氏に電話で連絡を取ってくれた 結果
「友達と飲んでて戻って来そうがないです ごめんなさい」

そんなこったろーなと その場の全員が思ってたと思うぞ(苦笑) カリーさんにこれ以上迷惑をかけるわけにもいかないので アンケートを彼に託し 全員で退散することにした

その帰りの道すがら 駅に向かって進む我々の前方から 見慣れた人影が千鳥足で近づいて来る 全員が全員「あ!」と指をさした
今頃戻って来ても遅いわい!

すかさず声をかけ皆で取り囲む
「おっせーよ!バカバーカ!!○○さん帰っちゃったじゃんよ バカー!」←私ホントにこう言った(苦笑)
「え〜誰〜? ○○?マジ〜? 悪い悪い」
みんな口々に文句と ライブの感想をまくしたてているのに スー氏はへらんへらん笑っている 真っ直ぐ立てないのか足元もおぼつかない様子だ

「…どれだけ飲んでるの?」誰かが訊いた
「ん〜?4… いや ビール5杯?」
「え!この短時間に?!」
そりゃ飲み過ぎでっせ兄さん(汗)

そんなこんなな状態で 始終口角を上げてニヤけた顔のスーさんに 誰もが一抹の不安を残しながら別れの挨拶をして離れたのだった



文句言ったあとにちゃんと「でもライブはすごい良かったよ!」と言ったんだけど
「だろ?だろ〜?」と握手して 腕相撲握りに握り直されて 離した手でVサインをされて ニカっと笑顔を食らった

でもさ 絶対覚えてないでしょ?
朝になったら キレイさっぱり忘れてるんでしょ?!

チクショー!(泣)・。

『怪談千鳥ヶ淵』1956年/日本


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