カタルシス
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2004年01月18日(日)  男兒富自強 

妹が留守の間に『洪煕官』を見ました

ドニー・イェンのTVドラマ代表作のひとつで 前々から見たいなー見たいなーと思っていたんですが やっとレンタル店に並ぶようになりました 最近ドニー作品が結構出回っているので ちょっと嬉しい♪ きっと『英雄-HERO-』公開の影響だと思うので 一応はチャン・イーモウに感謝 でしょうか?(苦笑)

洪煕官(ほん・へいくん/ハン・ガーロ)とは人の名で さん家の煕官くん という意味ですが 伝説化している歴史上の人物で 清代に実在した南派少林拳の洪家拳の祖にあたる人です

今まで観て来た映画の中にも この人が登場する作品がいくつかありましたが どれも清朝に対抗する革命派の頭領として 冷静沈着・孔子然とした人物に描かれていたので 私の頭の中にはそいういう洪煕官像が出来上がっていたのですが このドニーの洪煕官は まだ革命派の頭領になる前の 青二才な煕官でありまして 全く持って落ち着きのない衝動的な若者として描かれていました 解って見たこととはいえ やっぱり違和感は拭えません(苦笑)

ドニーのこの青二才っぷりは『ドラゴン酔太極拳』や『蘇乞兒』の時と同じで 親の言う事は聞かないわ 拳法が使えて強いもんだから自信家な上 とにかく自己中心的 まさに絵に描いたようなアホぽんちゃんな訳ですよ(^^;) でも人一倍義侠心に厚く義理人情を重んじる青年で 親不孝なことばっかしてるんですが本当は親思いの優しい心の持ち主でもあって これまた絵に描いたような主人公なんですな

香港で人気のあったTVシリーズだと聞いていたので DVD(もしくはVHS)1枚しかないのを訝しく思っていたんですが 案の定ものすごいはしょり方をしておりましてですね 最後もめちゃめちゃ「つづき」って感じで終っちゃいました でも多分続きはないんです 出てないんです!(涙)

香港映画にありがちな尻切れトンボな終り方からも見てとれるように こんな編集でも香港人はOKってことなんだろうなと 解釈して諦めるのが得策なんだろうと思います(苦笑)

ああ でも久々に見応えのあるミラクルカンフーを見ました♪ あからさまに「早送り」しているのがわかるシーンや 真剣な場面で「その体勢は有り得ねぇだろ?!」ってポーズをとってたり とにかく可笑しい そんな中に本当にスゴイ技とかが何気なく混じっててビックリもします
本当 価値観というか評価のポイントみたいなもんが微妙なんですよねー(笑)

登場人物の中に「童千斤」という人が出てくるのですが この読みが「トン・チンカン」 洒落なのか?!と思って見ていましたが 普通に反応している様子に またもや失笑
物語は意趣返しで山場を迎えるのですが 遺恨を募らせて募らせて やっと晴らせるってなった割にあっさり勝てちゃうし それより更に強い敵はまだ残ったままだし 新たな登場人物が謎をはらませた状態で出てきても

こうして洪煕官たちは修行のため少林寺へ向かうのであった…
[劇終]

となる訳ですよ
平気でなっちゃう訳です

普通なら「終ってねーよ!(怒笑)」と思うでしょうが こんな仕打ちに慣れてくるとですね
「でた!香港ラスト!(爆笑)」になってくるのです

その先のストーリーを気にしてはいけません
何が事件の原因だったかとかも思い出してはいけません
実は何も解決してないなんてことに気付いてはいけません
例え思っても笑って流さなければいけないのです

それがこの手の香港モノを楽しく見るコツなのですから(苦笑)


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妹が戻ってから『ぼくの国、パパの国』を観る

敬虔なイスラム教徒であるパキスタン人の父と
イギリス人の母との間に生まれた6男1女の子供たち
生まれも育ちも英国の彼らは 英語を喋り 環境も教育も英国式だ

そんなことなどお構いなしで我が子にイスラムの教えを押し付ける父と
うわべでは従いつつも 内心では馴染めずに反抗している子供たち
その気持ちは解っているし助けてあげたいけれど 夫の気持ちも無視できない母

宗教の違いによるカルチャーギャップが巻き起こす騒動は
滑稽なものから深刻なものまで 常に家族を悩ましている

イスラム教は特に戒律が厳しいイメージがあるし パキスタンは一夫多妻であるらしい
何につけても なんちゃって仏教徒の私には想像し難い世界である

それでも考えてみたら
食事の時に2膳の箸で一つのものを取り上げたりはしないし
身内に不幸があった翌年は新年の挨拶を控えたりする
無意識に というか当たり前のことと思っている行動だが
これだって一応仏教の教えに沿ったものである

日常の環境や教育の場で触れている習慣や作法が
そのまま信仰につながる可能性が高いと思えば
イギリスに生まれ育った子供たちがイスラムの独特な文化に馴染まないのも尤もな話だし
よりにもよって酒や豚肉が口にできない戒めを 好奇心旺盛な若者が拒絶したがるのは当たり前

その上 親が決めた会った事もない相手と結婚させられるなんて
自ら望んだ宗教でもなく甘んじようとなどと 思う人間が今時どこにいるというのか

孤軍奮闘の父は憐れにも見えたが
頭ごなしに持論を押し付けるやり方には不快感の方が上回る

自分が子供たちの立場だったら… やっぱり大喧嘩するだろうな(苦笑)

女兒も富自強!(女も強くあれ!)

『男兒富自強』成龍


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