カタルシス
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2003年11月30日(日)  屍の王 

朝から嫌なニュースを聞いた
イラク中部のティクルート地区で2人の邦人外交官が殺害されたという
詳しい情報のないままに感じた一番の不安は

…狙われた? という憶測だった

だってタイミング的には日本に対する威嚇 もっと過激な解釈をすれば宣戦布告にも取れる事件だ 聞けば犠牲になった2人は情勢好転のため特に精力的に活動をしていた現地邦人の要とも言える若手の人材だったというじゃないか 彼ら自身がターゲットであった可能性はあまり感じないが “日本人”がと言われたら 必要ないくらいしっくりくるから後味が悪い

ニュースではまだ強盗によるものかテロによるものか犯人像は特定できていないとの報道がされているが 物盗りだろうがテロリストだろうが 利己的に人を殺す者に何の違いがあるのだろう 白昼堂々の殺人がまかり通ってしまうこと自体の異常さには 敢えて目を向けぬつもりなのか
夕方になって大臣達のコメントを耳にしたが どれもこれも耳障りなだけで辟易するばかりだった

「今テロに屈する訳にはいきません」
いつなら良いんだ? どんな訳ならいくんだ?


「より慎重に安全を確保して」
いくら慎重にしてみたところで“安全”の“確保”なんて できる訳がないと思うのだが…
このセリフがまやかしであるならば これほど人を馬鹿にしたことはないし 本気で言っているとしたら正真正銘の無能だ

もう何も喋るな

犠牲者の身内の中にも「名誉と思えと言いました」という男性がいたが 何とも日本的な言いぐさだなぁと呆れ半分に憐れんでしまう
本気にしろ立て前にしろ そのために大切な人を失った誰かを思えば 名誉なんてクソ食らえだ
そんなもので腹が膨れる連中だけで言っててくれ

テロ対策がどうだとか 対外政策の展望だとかをしのごの言う前に 某国暴君の暴挙を諭そうという君子はどこにも在りはしないのか 誰か「統治」の正しい意味を教えてやれ

このままじゃ泥沼の底は ますます澱み濁ってく
誰かが猫の首に鈴をつけなくちゃ

そんなままでも“安全”を“確保”できたってんなら
アンタら自身がその足並みを揃えて いの一番に沼地を渡って見せてくれよ



骨くらいは拾ってもらえるかも知れないぞ



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そしてこんな日に『バイオ・ハザード』を見ている あたし
ある意味屍が主役の話よね
こんなウィルスがあったら怖いなぁ
イラクに蔓延させたら今ごろ大騒ぎ…

ああ不謹慎(黙)

『屍の王』1998年/牧野修


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