カタルシス
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2002年07月14日(日)  御霊を祀る 

靖国神社の『みたままつり』に行った。
2年前からの恒例でOさんの他にSさん、Sさんのお友達のNさん、そして私の4人で集まって飲んでは喋り、喋っては飲んでのアホ会合を開いている。いい歳の女ばかり4人集まってすることは他にないのか?ってくらいそれはそれは くっだらない話に夜の更けるのも忘れて盛り上がり、慌てて終電に飛び乗るという所業を繰り返していた。
そんな魔の季節がまた 巡ってきたという訳だ。

Oさんが音頭をとって呼びかけをしてくれた。残念ながらSさんは都合がつかず今年は3人での会合となったのだが、実はSさんのお友達であるNさんとは 毎年この時にしか会わない「年一友人」なので、Oさんも私もいまいち顔の判別に自信がなかった。去年はOさんとNさん、私とSさんよりも早くに待ち合わせ場所に来ていて、お互いの様子を気にしていたにも関わらず 我々が到着するまで声をかけられないでいた。今回Nさんと直接の友人であるSさんが不在の為、私たちは自力でNさんを捕まえなくてはならなかった。

少し早めに待ち合わせ場所に着いた私は、祭に向かう人の群を眺めながら折からの猛暑にウンザリと汗を拭っていた。しばらくしてOさんが到着、開口一番「Nさんももう着いてるってよ」と言った。「え?」と周囲を見回すと、すぐ近くにいた女性が「あ!」とこちらを指さした。
Nさんだった。

「ぎゃー、また今年もやっちゃった!」と頭を抱えてその場にしゃがんだNさんと
「うへ〜、全然気が付かなかった〜…」と居場所のない私。
去年同じ事をしているので特に突っ込まず苦笑しているOさん。
このヘタレ3人組で靖国の御霊を前に宴を始めようというのだから 気が知れないというもの。
そんな失態をしでかしながらも気を取り直し、揃って大きな石鳥居をくぐった。

3回目ともなれば場所取りのコツなんかも心得て来ていて、出店の奥にある机とイスを人数分キープする。このメンバーになってからは3回目だが、私もOさんもそれ以前からここの祭には出入りしているので 常連と言えば 常連なのかも知れない。
席を確保したところで各自入れ替わりにつまみの買い出しに出掛ける。

この祭の出店はなかなかバラエティーに富んでいて、屋台好きの私としては楽しくてしょうがない。韓国チヂミ、シシカバブ、ベトナムフォー、トルキッシュサンド、毎年国籍が豊富になっていっている。しかし、落ちつくのはやはりタコ焼き、焼き鳥、唐揚げ、じゃがバタ、焼きイカ、お好み焼き等の定番メニュー。寒い時期であれば豚汁やモツ煮込みに走るタイプである。
適当に買いあさってきてテーブルに並べると各々手にした飲み物で乾杯☆

初めはぎこちなかった3人も酒や祭の雰囲気に酔い始めると段々会話がヒートアップしてきて、好きな邦楽アーティストや昔みたTV番組、幕末が好きだとか三国志が好きだとか、果ては歌舞伎、観劇、ハマった役者 等々、話の内容が飛びに飛びまくる。しかし、その内容についていけなくなる者は一人もおらず お互いに「よくみんなついてくるなぁ」と感心するばかりだった。
普通ならどこかで誰かが脱落して話の腰が折れるものだが、それがないから延々と話が続いてしまう。去年も一昨年も同じ状態だったのだ。
「Sがいないのにこの盛り上がりは自分でもビックリだ」とNさん。

そしてまた歴史は繰り返された。

帰りの電車の中で思い返す。今日は何の話をしてたんだっけ?
その時に覚えていたのは、大川橋蔵の綺麗さを語った私にちゃんとついてきた2人と その後片岡孝夫(現・仁左衛門)の美しさについてノンストップだった3人の姿だった。近くにいた人達は我々を何の集まりと思ったことだろう。
終電がなかったら終わってなかったぞ あの会話…

これが毎年恒例『みたままつり』の2002年版。


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