カタルシス
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日曜朝の週課となっているTV鑑賞をしながら、昨日のバウムクーヘンの切り落としを朝食がわりにヒョイとついばむ。 「あれ?」 何かちゃんとバウムクーヘン味だ…。しっとり感が抜けて頃合いの口当たりになっていて、ちょっとびっくりした。 レシピに「生クリームを添えると良い」と書かれていたのを思い出して、生クリーム…と思ったけれど買い置きがなかったので、少し考えてから 無駄に豊富なマイ・チーズ陣の中からマスカルポーネを取り出して器に適量を取り分けた。それにラム酒を少々…と思ったけれど これも買い置きがなかったので、代わりにピーチリキュールを少々加えてミキシング!そのままでは少し硬目だったので牛乳をちょっと加えて更にミキシング!! ポマード状になったマスカルポーネをバウムクーヘンに添えて食べてみた。
「美味!」
行き当たりばったりの調理もたまには功を奏すものだ。お気に入りのモーニングアッサムをミルクティーにして、ご機嫌のブレックファースト。…をひとりで演出。 ここで優雅なBGMでもかけていればもう少し様になったかも知れないが、一連の動作は全てTVを見ながらやっていることなので、優雅な雰囲気はこれっぽっちもない どころか、そもそも切り落としの余り物食べてる訳だから貧相な影が落ちるというもの。見ていた番組がいっそ潔いくらいだ。
毎週日曜日はビデオ屋へ行く日になっているので、先週借りてきたテープを並べ 見逃しがないのを確認するとフラリと外出。返却後ガオvol.2、3、4と香港映画を1本借りてきた。本当は目星を付けていた韓国映画のうちのどれかを と思っていたのだけれど、そこはいなかのビデオ屋さん、キッパリさっぱり置いていなかった…。だからってまだ『シュリ』や『カル』を観る気分じゃなかったので、代わりに元々好きな香港モノに手を伸ばしてみた訳。
今回のタイトルは『永遠の恋人たち/バタフライ・ラヴァーズ (原題:『梁祝』)』ちょっと笑えるでしょ(笑) 元になっているストーリーが『梁山箔と祝英台』と書かれていた。これは中国の古典的な悲恋物で、そのあらすじは私も知っている。ただ、監督がツイ・ハークだったので もしかしたら斬新な切り口で描かれているのかも?と変な期待があり、王道とも思われるこの作品を借りてきたのだった。が、観てみたら、意外にも王道の王道。めちゃくちゃ普通に『梁山箔と祝英台』だった。なんかちょっとガッカリ。ツイ・ハークも昔は普通だったんだな…と思ってしまった。(何を期待していたのか自分/笑)
あらすじを少し説明すると、良家の娘が女の身でありながら学問を好み 両親を説き伏せ、1年の約束で家を出て学舎に入る。当時は婦女に学問は不要という考えが普通だったので、彼女は男装をし正体を隠しながら学んでゆくのだが、学問のライバルで同時に親友にもなった青年に次第に惹かれていく。 学舎の者に正体がバレれば1年を待たずに家に連れ戻されてしまうし、1年経てば自分は家へ、彼は科挙(官吏になるための試験)へ旅立ってしまう。青年は貧しい家の出で、学問のみが道を拓く術とばかりに色も恋もない日々を勉強ばかりに明け暮れて、彼女を弟のように可愛がり義兄弟の杯まで交わしたというのに、それが女性であることになど全然気が付かない。 そして1年が過ぎようとしていた…
と、いう感じかな。その後は一応ネタバレ防止で伏せておくことにするけれど、とにかく見事にそのままの話だったのよ。笑うしかなかったさ。わはは。 まぁ、本物の話だと、娘は聡明な子で純粋に学問を習いたくて親元を離れるのだけど、この映画だと何をやらせてもダメで 書・詠・琴といった女性としてのたしなみすら ままならないお転婆娘に将来の不安を感じた両親が、母親が若い頃そうしたように男性に混じって学問を習っていらっしゃい!ってな具合で無理矢理山へ送られてしまう。という筋書きになっていた。
そのお転婆娘・祝英台を演じていたのがチャーリー・ヤン(楊采[女尼])。美人というには抵抗があるが、キュートでチャーミングな女優だ。この作品だと娘姿の時より男装している時の方が可愛く見えた。屈託ないキャラクターがピッタリとくる。 相手役の梁山箔に扮していたのがニッキー・ウー(呉奇隆)、台湾のアイドルである。この彼がまた随分と綺麗な人で、ボーイッシュなチャーリーと並ぶと彼女が陰ってしまうような華やかさがあった。映画を観ていて、ついチャーリーが気の毒になるような瞬間が 時々…。 華奢なので初めは弱々しい感を受けていたが、半裸のカットを見て意外にしっかりした体つきをしているのに驚く。後で知ったことだが、幼いころから蹴拳道(テコンドー)をたしなんでいて しかもなかなか成績優秀だったらしい。優秀ったって、蹴拳道は型で進段だから組手が強かったかどうかは計れないのだけれど。ちなみに型は「トゥル」組手は「マッソギ」と言う。(不要なマメ知識) マッチョというのではなく、バランス良く締まった体型でめちゃ好みだったん。…良いかも ニッキー。
ところで、この作品の説明書きに「あの『金枝玉葉』のモデルにもなった物語!」とあった。ここでいう『金枝玉葉』ってレスリー・チャンとアニタ・ユンの『君さえいれば』のことなんだけど、私はこの映画を公開時にちゃんと観に行っている。確か学校の帰りだかに一人で行った。(一人かよ…) 当時も『梁山箔と祝英台』の内容は知っていたが、この映画のモデルになっているなんて ちっとも気付かなかった。説明書きを見て「え、あれが?!」みたいな。 確かに男装した女の子が「女です」と言えないまま男性に恋してしまう話だったけど、ハッピーエンドだったし… 男装ものなんて他にもいっぱいあるじゃない。あんまりかけ離れた物語だったので解らなかったよー。(^^;)ゞ
そんなこんなで香港熱が再発。ニッキーもチャーリーも台湾の人だから香港熱っつーのも正しくない気がするけれど、製作が香港の公司なので無理矢理ひとくくり。ツイ・ハークがもたらした新たなる出会いに乾杯☆なのだ。
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