カタルシス
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2002年05月22日(水)  頑張って 

大宮までスプリングベルを見に行った。
前日まで行こうか行くまいか考えていたのだけれど、出番の時刻と仕事のボリュームをすり合わせたらギリギリ間に合いそうな感じだったので挑むことにした訳サ。職場から向かうのにはさほど難しい経路じゃないのだけれど、何分行ったことのない会場だったし 乗り換えの駅が不慣れな場所なので、滞りなく辿り着けるのかが不安のタネだった。

何しろ初めての道はかなりの確率で 迷う。今回は同行者もいないから余計に心配だった。私の迷い歴を挙げてみると 吉祥寺曼荼羅、下北沢 Club Que 。どちらも地図を持って目前まで来ているのに、会場が見つけられず街を徘徊した。吉祥寺スターパインズカフェも事前に調べに行った時はアーケードを突き抜けて奥の通りまで出ちゃったな… 阿佐ヶ谷DRUMもビルの周り何周したか知れないゼ。QUATTROも何故か地下だと思い込んでて、下のパルコの周りをかなり廻った。表参道FABも入り口解らなくてロイホの奥の道まで行っては返ってを繰り返したし、最近では西荻窪TARNINGがある。これらの過去を思い起こすだに 大宮の道のりが遠く感じる訳で…

仕事がちょっと押して、予定の時間に出られなかった。 あ、ちょっとヤバイかも。ネット検索した最速経路が使えない。通勤時間帯の埼京線はダイヤが複雑で使い慣れていない者にとっては乗り換え・乗り継ぎで明暗が分かれるのだ。この上、乗り継ぎに失敗したら出番の時刻に間に合わない。とにかく急いで現地へ行き着かなくては。

赤羽で運良く通勤快速なるものに乗換えができたので、思ったよりも早く大宮駅に着けた。こりゃもしかして、幸先が良い?と明るく展望、ライブハウスまでの案内地図を確認する。「東口へ降りる」よし、東口だ。

出演の予定時刻まで10分くらいの余裕があったが、決して油断してはいけない。自分の迷子遺伝子はなかなかにくわせものなのだ。緊張の面もちで大宮駅構内を移動するが、階段を上り、上り、また上り… おいおい、一体いつまで続くんだ?コレ(^^;) 上りきったところで出た改札が『南口』だった。
「?!」
手にした地図には東西の口は記してあるが南北はない。しばらく改札の手前で思案…むぅ。落ち着け自分、周りをよく見るんだ!
と、改札の向こう側に『東口』を指す案内板を発見。 あ!あった、このまま行けば良いんだ〜(ホッ)いざHEARTSへ。改札を抜けて意気揚々と外へ出ようとした その先には、長〜い通路。…え、まだ出口じゃないの? 方向が間違っていないのは一定間隔に設置された案内板で確認できたので、とにかく黙々と歩いた。
何となく、いやきっとだけど私、大宮の駅 嫌いかも…。

この通路の突き当たりが東口の出口だった。構外へ出るとまず地図と照らし合わせて道の確認。ざっと見て分かり易いのは、目の前を堂々と通っている大通りを行き目印のある角を曲がる行き方だが、どう考えてもロスが出る感じだったので、周囲の様子をうかがい最短距離の想像をしてみた。普段なら絶対にしないことだ。時間さえあれば例え回り道と解っていても確実な道順を選ぶのだが、予想外の駅の広さに手間取り、既に時刻は出演予定の2分前。

私は賭けに出た。
おそらくこの道はつながっている!

根拠のない確信を胸に高島屋の裏手を進み、そのまま直進。中山道を越えてパーキングを突っ切って、出た道は市役所の前だった。大宮HEARTSは市役所通りにあるコンビニの下にあるので、この道だ!とばかりに右折をしたらコンビニの明かりが煌々としている。「I win,yes!!」
足早に進みながら勝利の拳を握る。何とかギリギリ出演予定時刻だ、ちょっとは押してくれるだろ…

ライブハウスに通じる階段を降りると、マネさんが「間に合ったね」と声をかけてくれた。前日、前チケ予約のメールに「ギリギリだし方向音痴ひとりで不安」とメッセージをつけていたのを読んでくれていたのだろう。本当はめちゃめちゃ嬉しかったのだけれど、そこに行き着くまでのテンションの上げ下げに疲れていた上、無事に辿り着いた&出番に間に合ったという安心感で気が抜けて やや放心気味に「あ…ありがとうございます〜…」と返すくらいしかできず、ちょい後悔。
反応鈍くて申し訳なかったなぁ。本当は抱きつきたいくらいだったんだけど。<それはそれで迷惑

中へ入ると前のバンドが演奏している最中で、客の入りもまぁまぁといったところ。ただ、このライブハウスちょいと音がビンビンしている。割れ気味の音やハウリングにめっぽう弱いので、耳が心配になった。

スプリングベルの番になったので前の方へ移動。しかし、ステージの真ん前にズラリと並ぶ人達に遮られて前が見えそうにない。最近の女の子は背が高い人が多いな〜と思いながら、荷物を録音セットをテーブルに残して後方の一段高い場所へ移動した。準備をしている影に湧いてる様子からして前方の人達はスプリングベルを見に来た人なんだろう。前回のegg-siteの時も思ったけれど、着実に動員数増やしてるんだなぁ。と感心しながら眺めていた。ちょっと遠いけど、ここならステージが見えるので悪くない。後ろから他の人の反応を見るのもなかなか面白かった。

今夜のスプリングベルさん、一生懸命盛り上げようとしていたにも関わらず 会場の反応がイマイチで何かやり辛そう。後ろの方では大声で話しをしている人達があって、何で演奏中にそんな大声で話すかなァ?!(--;)とムッとした。別に聞きたくないならそれでも良いんだけど、聞こうとしている人もいるんだから邪魔はしてくれるなよ。と思う。床にベタっと座って数人で輪になってベラベラ… 私の位置からは斜め前方にその姿が見えていたのでブルーになった。ついでに音チェックなのか、マネさんがその辺に立って腕組みしながら険しい表情をしているのも同じ視界に入るのが、何ともかんとも。 きっと見ていただろうし聞いていただろうなぁあのお喋り。辛…

そんな感じでね、中途半端にライブを見てきた所為か 正直言って今ひとつテンション上がらなかった…。誰が悪いんだ?自分か??

帰りは大宮の駅から埼京線で 途中まではゆきさんとご一緒させて頂く。行きよりも更に近そうな道を選んで駅まで向かった。帰りは家に着けさえすれば良いので、帰路に冒険をしかけることは結構多い。知らない道を歩くのが実は好きだったりする。迷うのは目的地を設定するからであって、当て所もない散策であれば関係ない話なのだ。初めて行く目的地に辿り着くのは大の苦手であるけれども、一度通った場所は「道」が変わらない限り大体覚えている。それが何年も前に一度行ったきりのところでも、土地開発等で道が変えられていなければほぼ思い出す。来た道を戻るのには迷わないので、散策していて帰って来られないことはまずない。
だから、進んでみてダメだったら戻れば良い。くらいに思って歩き廻る。が、同行者にとってみればいい迷惑かも知れぬ…

この時は難なく駅まで最短コースで辿り着いた。スムーズに帰れば22時からのドラマがちょこっとくらい見られるかな?と思いながら大宮駅の構内へと進んで行く。来た時には長く感じられた道のりが、時間を気にしない所為か、はたまた同行の相手があった所為か存外あっさり屠れてしまった。
改札を抜けてすぐに電光掲示板の案内が出ていて、現在の時刻と発車の時刻を見比べながら 乗車するホームを目指した。ところが…

全く失念していた。 階段を上り続ける延々とした時間のことを。ホームに向かう為には今度はこの階段を降りて行かねばならない訳で、降りて、降りて、降り続けて、やっとホームに着いたと思ったら、目的の電車は一足先に発車してしまった後だった。まんまと乗り遅れてしまった我々だが、決して道に迷った訳ではない。順調にやって来た結果がこれなのだ。行き慣れた駅であれば、道のりの目安もつけられるだろうが、初めて来たっつってんだろ!
空っぽのホームでしばし呆然。仕方がないので次の電車を待つことにした。そして数分後…
目の前に目的の電車『埼京線/新宿行き』が入ってきた。来た来た、あれに乗れば良いの… か…?
あれ?何か、違う気するんですけど

ホームが。

乗りたい電車は向かい側のホームヘ入って来たのだった。時間がズレたために乗り場が変わったらしい、慌てて階段を駆け上がるも時既に遅く、2台目の埼京線も見送るハメになった。
脱力の我々、次こそは間違えまいと掲示板を探し、次の到着ホームをしっかりと確認してから、再び階段を降りた。ああ、本当二人で良かった。この間の悪さは私の所為かも知れないが、一人だったらどこまでヘコみ続けたか知れない。共連れの有り難さよ…

ホームを降りると程なくして『埼京線/新宿行き』が入ってきた。ああ、この電車だ と乗り込む。発車時間にはまだ間があったが、しばらく停車する様子だったので この駅始発か何かだったのだろう。席もガラガラだったので並んで座り、歓談。

数分後、同じホームの反対側に電車が入って来た。何気なく視線をくれると『埼京線/新宿行き』。
…まさか。
隣の車両に座っていた人達がパラパラと立ち上がり、向こうの電車へ移動を始めたので 慌てて立ち上がり今来た電車に飛び乗った。
プシュー。 電車は動き出した。先ほどまで腰を下ろしていた車両が どんどん遠くなる。あ、危なかった〜… もう少しでまた一台見送るところだった。今回はギリギリでセーフ。(^^;)

行きは通勤時間帯だったので運良く通勤快速に乗ることができたが、さすがに帰りの時間にはそんな上等なものは走っていないし、そもそも「のぼり」だ。通勤快速は朝に走っているんじゃなかろうか? 最終的に乗り込んだ電車はお察しの通り各駅停車。いやはや道のりの長さを感じずにはおれない。ドラマの後半?そんなの全然無理〜。最初の電車に乗れなかった時点で諦めたさ。別にさほど固執している訳ではないから、もうどうだって良い。
無事帰れさえすれば。

ゆきさんと別れてからも暫く埼京線に揺られ、池袋で乗り換えて、高田馬場で乗り換えて、私鉄にまた揺られ… やっぱり結構遠いんだなぁ。と改めて感じながら思った。

何となく、いやきっとだけど私、大宮の駅 嫌いだ。


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